米国のテーパリング期待後退。11月・12月に示唆される可能性
7月27日(火)~28日(水)に、FOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されました。
市場では、テーパリング(※)の開始時期について注目となっていることもあり、重要なイベントとなります。
(※編集部注:「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)
声明文では、「経済は目標に向かって進展している」との文言が加わったことで、景気への楽観から、瞬間的に米ドル高へ。
7月28日(水)午前3時半(日本時間)からのパウエル議長の会見では、これまでと変わらずハト派な発言が続きました。
テーパリングに関しては、「複数回の会合で議論する」としました。
7月FOMC後のパウエル議長の会見では、これまでと変わらずハト派な発言が続いた (C)Bloomberg/Getty Images News
FOMCまでは、市場の予想では、8月のジャクソンホールや9月のFOMCでテーパリングを示唆するのではないかとの予想もありましたが、「複数回の会合」としていることもあり、テーパリングを示唆する時期が後退し、11月もしくは12月のFOMCでテーパリングを示唆する可能性が高まっています。
ただ、経済のデータ次第としていることもあり、雇用統計などの経済指標が良好な数字が続けば、テーパリングは早まる可能性もあります。
目先に関しては、8月26日(木)~28日(金)にジャクソンホールで開催される経済シンポジウムで、テーパリングを示唆する可能性は低下しており、為替市場は材料不足になってきています。
今週(8月2日~)は、6日(金)に米雇用統計があります。
雇用統計が改善していれば、テーパリングも早まるため、今後、毎月の数字は重要となってきます。
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新型コロナウイルス感染再拡大で、市場はリスク回避に備える場面か
新型コロナウイルスの感染に関しては、ワクチンの普及が世界的に進んでいますが、英国や米国では変異株の感染者が増加してきています。
インドネシアも感染者が増加傾向にあります。
市場では、これまでワクチンが普及してきたこともあり楽観的となっていましたが、変異株の感染力の高さから、社会が元の状況に戻るのはかなり先になりそうです。
金融市場もポジションを新しく作っていくよりは、保有しているポジションを手仕舞い、リスク回避に備えるような場面ではないかと思います。
偏っているポジションとしては、IMM(国際通貨先物市場)ポジションでは円売りになりますので、円高になる可能性が出てきます。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
8月は、季節性も円高になりやすい時期になります。
米ドル/円は状況次第で、107円台へ突っ込む可能性もあるか
米ドル/円は7月2日(金)に、111.65円まで上昇しましたが、その後、21日移動平均線で2度上値を抑えられています。
そのため、110.60円付近がレジスタンスとなっており、まだ下がる可能性があるように思います。
(出所:TradingView)
7月31日(土)に、AKB48の武藤十夢さんとライブ配信で行ったセミナーでも話したことですが、米ドル/円は108円台へ下がる可能性があるように思います。
状況によっては107円台へも突っ込む可能性があるのではないかと考えています。
(出所:TradingView)
8月2日(月)に、すでに109円台前半まで下がってきてしまいましたが、戻りがあれば売りでいいのではないかと思います。
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米ドル/円は戻り売り、ユーロ/米ドルは押し目買いが良さそう
ユーロ/米ドルは、7月に一時1.1751ドルまで下がりました。
FRB(米連邦準備制度理事会)とECB(欧州中央銀行)の金融政策の違いや、景況感の違いを考えると、ユーロ/米ドルは売り方向になります。
しかし、1.1751ドルから下がらず、一時1.1908ドルまで反発しました。
(出所:TradingView)
ユーロ/米ドルは、先月(7月)は売られていたと思いますので、ポジションの巻き戻しということであれば、まだ上がる可能性があるように思います。
材料不足のため、低いところでの売りや、高いところでの買いはリスクが高くなりますが、ポジションの巻き戻しがメインの動きになると思いますので、基本的には米ドル/円の戻り売りがいいのではないかと思います。
ユーロ/米ドルも、押し目買いでいいように思います。
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