■スイス中央銀行が為替介入宣言
為替マーケットでは、量的緩和政策がキーワードとなっている。スイス中央銀行(スイス国立銀行、SNB)は日本、米国、英国、カナダに続き、同政策を発動しただけではなく、昨日市場介入を宣言し、実際介入をしていた模様。
スイス中央銀行はユーロに対するスイスフラン高を阻止したい意図が強いと言われる。介入宣言があったため、これがドル高/スイスフラン安をもたらした。日本当局にも介入の口実を与えた、といった連想から円も売られ、ドル/円が昨日95.69円の安値から急速に98.52円まで切り返す場面もあった。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/スイスフラン 1時間足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
■センチメント指数から、ドルの頭打ちは当然だった
それでも、当方の見方(前回参照)はおおむね証左されている(「ドル/円の急伸を強く示唆していたセンチメント指数とは何か?」参照)。
まず、ユーロ、ポンド、豪ドルなどメジャー通貨は対ドルの下値が限定され、緩やかな回復基調にあること。そして、センチメント指数から推測すると、ドル/円は一旦頭打ちし、調整のリスクがあったということだ。
実際、各社のセンチメント指数について先週末の統計データを見ると、おおむねマイナスからプラスに転じていた(※)。これは当方の推測を裏づけるものだった。
すなわち、一般投資家は売りポジションに傾いていたが、相場上昇で損切り覚悟の買い戻しを余儀なくされ、その結果、売りポジションが解消されてしまった。そうなると、損切り覚悟の買い戻しがもう出なくなるため、ドルの上昇は続かなかったのである。先週のドルの頭打ちはごく当然な結果だった。
ただ、基本的には、センチメント指数がわからなくても、テクニカル指標だけで同じ結論を出せる。なぜなら、値動きそのものが市場参加者の思惑と判断の集大成であるから、値動きを分析の対象とするテクニカル指標は同じ役割を果たせるはずだからである。
(※編集部注:センチメント指数のマイナスとは売りポジション(ショートポジション)が多い状態、センチメント指数のプラスとは買いポジション(ロングポジション)が多い状態を表す)
■ボリンジャーバンドでドル/円相場を解読
ここで、前々回言及したボリンジャーバンドについて少し詳しく説明しよう(「『1−2−3の法則』が大ヒット! ドル/円は100~102円台達成の可能性大」参照)。
ボリンジャーバンドは、考案者ジョン・ボリンジャー氏の名を冠したテクニカル指標で、変動率をベースに統計学を応用したチャートである(下のチャート参照)。
チャートの中心線(一般的には20日移動平均線を取る)から外側に向かって±1σ(第1標準偏差)、±2σ(第2標準偏差)、±3σ(第3標準偏差)といった具合に線が引かれる。
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■センチメント指数から、ドルの頭打ちは当然だった
それでも、当方の見方(前回参照)はおおむね証左されている(「ドル/円の急伸を強く示唆していたセンチメント指数とは何か?」参照)。
まず、ユーロ、ポンド、豪ドルなどメジャー通貨は対ドルの下値が限定され、緩やかな回復基調にあること。そして、センチメント指数から推測すると、ドル/円は一旦頭打ちし、調整のリスクがあったということだ。
実際、各社のセンチメント指数について先週末の統計データを見ると、おおむねマイナスからプラスに転じていた(※)。これは当方の推測を裏づけるものだった。
すなわち、一般投資家は売りポジションに傾いていたが、相場上昇で損切り覚悟の買い戻しを余儀なくされ、その結果、売りポジションが解消されてしまった。そうなると、損切り覚悟の買い戻しがもう出なくなるため、ドルの上昇は続かなかったのである。先週のドルの頭打ちはごく当然な結果だった。
ただ、基本的には、センチメント指数がわからなくても、テクニカル指標だけで同じ結論を出せる。なぜなら、値動きそのものが市場参加者の思惑と判断の集大成であるから、値動きを分析の対象とするテクニカル指標は同じ役割を果たせるはずだからである。
(※編集部注:センチメント指数のマイナスとは売りポジション(ショートポジション)が多い状態、センチメント指数のプラスとは買いポジション(ロングポジション)が多い状態を表す)
■ボリンジャーバンドでドル/円相場を解読
ここで、前々回言及したボリンジャーバンドについて少し詳しく説明しよう(「『1−2−3の法則』が大ヒット! ドル/円は100~102円台達成の可能性大」参照)。
ボリンジャーバンドは、考案者ジョン・ボリンジャー氏の名を冠したテクニカル指標で、変動率をベースに統計学を応用したチャートである(下のチャート参照)。
チャートの中心線(一般的には20日移動平均線を取る)から外側に向かって±1σ(第1標準偏差)、±2σ(第2標準偏差)、±3σ(第3標準偏差)といった具合に線が引かれる。
ここでは、難しい話を省き、簡単にまとめよう。統計学的には、以下のルールが確立されている。
「-1σ」~「+1σ」の間に値が存在する確率は68.3%
「-2σ」~「+2σ」の間に値が存在する確率は95.5%
「-3σ」~「+3σ」の間に値が存在する確率は99.7%
つまり、値動きは基本的に「-2σ」~「+2σ」のバンドの間で往来し、それを超える確率は統計上4.5%しかないことになる。さらに、「-3σ」~「+3σ」のバンドを超える確率は0.3%しかないから、これを超えた値動きは「度を越した」ということになり、いずれバンド内に戻ると解釈される。
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