米ドル/円は一時127.02円まで下落。米長期金利が節目到達で、相関性の高い米ドル/円も調整している
米ドル/円の調整が続いており、5月19日(木)には127.02円まで下がりました。
6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)での0.50%の利上げはすでに織り込まれており、先週(5月16日~)のコラムでも記載した、米長期金利の3.2%台付近のレジスタンスに到達していることもあって、相関性の高い米ドル/円も調整していることになります。
【参考記事】
●米ドル/円が上昇トレンドへ戻るには時間がかかりそう。米国の長期金利の動き次第では、125円台まで調整する可能性も(5月17日、バカラ村)
(出所:TradingView)
米国のCPI(消費者物価指数)の高さを考えると、米長期金利は長期ではまだ上昇していくと思いますが、目先は調整がまだ続くのではないかと思います。
米長期金利が上昇を再開するようであれば、そのときは米ドル/円も上昇を始めると思いますが、今はFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げや日銀の金融緩和政策継続も織り込まれているため、上昇を再開するにはまだ時間が必要となりそうです。
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為替市場に主体的な動きはない。米国株の上下でリスク回避とリスク選好の動きが出ている
米長期金利が3.20%台付近から調整していることもあり、他の米ドルストレートも米ドル安になっています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
為替市場は主体的な動きがなく、他の市場の動きに影響して動いているだけになります。これも材料不足によるところだと思います。
米国株の動きにも為替市場は影響しており、米国株の上げ下げでリスク回避の動きとリスク選好の動きが出ています。
(出所:TradingView)
米国株は大きな流れで戻り売り相場が続く。米ドル/円は125円まで下がる可能性も十分あるか
目先に関しては、米国株は下げが続いていたこともあり、月末も近く、短期的には反発しやすいと思いますが、ただ来月(6月)はQT(量的引き締め)を開始することもあり、大きな流れとしての戻り売りの相場は続くものと思います。
米ドル/円は127.02円まで下がりましたが、ここは4月27日(水)に付けたときの安値とほぼ同じ水準で、サポートされやすいところです。
反発しやすい水準ですが、上は129.40円付近にはレジスタンスがあり、米長期金利も3.00%にレジスタンスができています。
21日移動平均線なども129円台にあり、この水準では上値が止められやすいと思います。
(出所:TradingView)
IMM(国際通貨先物市場)ポジションからは円売りに偏っていることもあり、上がれば手仕舞いの売りも出やすいと思います。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
下は125円まで下がる可能性も十分にあるのではないかと思います。
米ドル/円はもみ合い相場が続いていますが、市場のポジションの偏りから、まだ安値を更新する可能性の方が高いのではないかと考えています。
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