中東紛争が金融市場に及ぼす影響は?
みなさん、こんにちは。
先週末の10月7日、驚くべき報道が世界を駆け巡りました。
7日、イスラエルに大規模なロケット攻撃が行われました。
攻撃したのはイスラム組織のハマス(=パレスチナのガザ地区を実効支配する組織)。
ハマスは軍事作戦の開始を宣言。イスラエルのネタニヤフ首相も「戦争状態にある」と声明を出し、一気に戦争状態に突入しました。
本稿執筆時点で、この紛争は中東地域にとどまっていますが、暴力行為がエスカレートすれば、米国とイランを巻き込んだ、より壊滅的な代理戦争が勃発するのではないかということをマーケットは懸念しています。
ここで中東紛争が金融市場に及ぼす影響を考えてみましょう。
中東紛争は一般的にはリスクオフ。
リスクオフは基本的に「株安、ゴールド高、米ドル高、資源国通貨安、スイスフラン高」という連想になります。
確かに週明けのアジア市場では、日経平均先物もいったん値を崩す局面もありました。
リスクオフに逆行!?米ドル金利の低下で日米の株は反発へ!
ただ米国の友人を筆頭に、マーケットは違う見方をしていました。今回の中東紛争では、マーケットに大きな負荷がかかり、安全資産の米国債が買われ、米ドル金利が低下する、と。
米ドル金利安により、主要通貨ではいったん米ドル安に推移するという見方がコンセンサスになりつつあります。
米ドル金利低下により、米国株、そして日経平均は反発するという見立。その見立通り、今週の米ドル金利は下落し、株は反発しています。
強烈だったのが日経平均です。
本稿執筆時点の日経平均先物(12月)は、3万2400円と急騰。
(出所:TradingView)
先週の10月3日には3万300円レベルまで落ちていましたので、あっというまに2000円強の急騰です。
★ザイFX!で人気の西原宏一さんの有料メルマガ「トレード戦略指令!」では、タイムリーな為替予想や実践的な売買アドバイスなどをメルマガや会員限定ウェブサイトで配信! メルマガ登録後10日間無料です。
世界一の安全通貨スイスフランが上昇再開!スイスフラン/円は170円へ
過去5営業日の主要通貨の対米ドル騰落率を見てみましょう。
米ドル/円以外の主要通貨は米ドル/スイスフランが牽引する形で、全て米ドル安。しかし、米ドル/円のみ米ドル高になっています。
その結果、クロス円は軒並み急騰。
今回の中東紛争により、調整局面を演じていたスイスフラン/円も急反発しています。
現在スイスフラン/円は165.65円レベルで推移。年初来高値である166.59円ブレイクを目指して上昇中です。
(出所:TradingView)
本コラムで注目しているスイスフラン/円が再び上昇再開。年初来高値を更新して170円レベルまで続伸すると想定しています。
クロス円が続伸している時は、通常米ドル/円も反発します。
では、次に米ドル/円をチェックしてみましょう
★ザイFX!で人気の西原宏一さんの有料メルマガ「トレード戦略指令!」では、タイムリーな為替予想や実践的な売買アドバイスなどをメルマガや会員限定ウェブサイトで配信! メルマガ登録後10日間無料です。
介入懸念はあるも日経平均に追随し、米ドル/円も155円に向けて上昇か?
今週米ドル金利が軟調に推移する中、米ドル/円も一時148.17円へと下落する局面もありました。
ただ数年前とは違い、日本円は避難通貨ではありませんので円買いは続かず。
その後、前述のように日経平均が暴騰する中、米ドル/円も反発、一時149.33円まで値を伸ばしています。
(出所:TradingView)
確かに節目の150円を超えてくると、日銀の介入懸念はぐっと高まりますが、円買い材料は少なくなってきています。
今回のようにリスクオフ局面でも日本円は買われません。
米ドル金利が反落して他の主要通貨が軒並み米ドル安になっても、米ドル/円は反発。
さらに、米ドル/円と相関性の高い日経平均が急騰しているため、米ドル/円はむしろ上値を追う展開に。
総じてクロス円が上昇トレンドに入っている時は、円安圧力が増すため、米ドル/円も値を伸ばす傾向があります。
日銀の介入により、数円急落する局面はあるかもしれませんが、米ドル/円の下落幅はさらに限定的になるでしょう。
米ドル/円はじわじわと155円を目指して上昇する可能性が高まっていると想定しています。
中東紛争勃発で世界で最も安全な通貨であるスイスフランが上昇再開し、スイスフラン/円は170円へ。
スイスフラン/円が牽引する形でクロス円が総じて上昇。
介入懸念はありますが、日経平均が暴騰していることもあり、
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。
「トレード戦略指令!」は10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)