イスラエルの通貨シェケルは暴落!
みなさん、こんにちは。
今週に入り、イスラエルとハマスの衝突が周辺国に広がり、中東地域の紛争に発展する恐れが高まっています。
イスラエルはハマスによる10月7日の大規模攻撃を受けてガザを「完全包囲」し、空爆を続けている状態が続いています。
こうした環境下、外国為替市場ではイスラエルの通貨シェケルが下落を継続。
下図は米ドル/イスラエルシェケルの月足チャートです。
(出所:TradingView)
イスラエルシェケルは、前週後半に1米ドル=4.06イスラエルシェケルを超え、2015年3月以来、8年半ぶりの安値まで急落(米ドル/イスラエルシェケルは急騰)しています。
イスラエルは過去にも紛争当事者になってきましたが、今回のハマスとの戦いは「過去10年の間で最も深刻な軍事衝突」との受け止めが市場には多く、この不安がイスラエルシェケル売りを加速させています。
避難通貨の米ドルとスイスフランは続伸!
では、買われている通貨はなにか?
下図は、「イスラエルハマス紛争」勃発以降の、主要通貨の騰落率です。
ほぼ全ての主要通貨に対して米ドルは暴騰。
唯一最強通貨スイスフランのみ、米ドルに対して上昇しています。
結果、イスラエル・ハマス戦闘が激化する中、避難通貨の米ドルと最強通貨スイスフランが値を上げている展開。
最強通貨ペアであるスイスフラン/円は、今月20日に一時168.42円まで上昇。
ターゲットである169~170円まで届きませんでしたが、これで年初来31円弱も急騰しています。
(出所:TradingView)
年初来高値をつけて以降、いったん値を下げていますが、後述する米ドル/円が底堅く推移しているためスイスフラン/円の上昇トレンドも変わりません。
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150.00円の巨大なオプションもあっさり通過!
前述のスイスフラン/円の上昇を支えているのが、米ドル/円の堅調さです。
今週の米ドル/円マーケットで話題になっているのが、150.00円の巨額のオプション。
下記はBloombergから抜粋した米ドル/円のNYカットで行使期限を迎える大規模なオプションです。
【米ドル/円】
150.00円 (15億4000万ドル)
150.20円 (6億2500万ドル)
153.50円 (5億ドル)
●注目のストライク
150.00円 (33億4000万ドル/ 10月27日)
149.50円 (11億8000万ドル/ 10月30日)
(出所:Bloomberg)
150.00円に48億ドルも控えています。
通常の相場では、50億ドル弱のオプションがあると、ブレイクするのは難しいのですが、25日のNY市場であっさり通過。
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介入懸念はあるも米ドル/円は155.00円に向けて堅調推移
政府・日銀の介入期待もあり、マーケットは少し米ドルショート(売り)になっており、じわじわと踏み上がる可能性が高いと想定しています。
(出所:TradingView)
もちろん、政府・日銀による米ドル売り介入が入れば、米ドル/円も値を下げる局面もあるのでしょうが、前述のように、避難通貨である米ドルとスイスフランがじわじわと値を上げる展開。
日本円はすでに避難通貨から脱落しているため、円高を定着させるのは極めて困難ではないかと想定しています。
イスラエル・ハマス戦闘が激化する中、イスラエルの通貨シェケルは暴落。避難通貨の米ドル、スイスフランは続伸!
米ドル/円は155.00円に向けて堅調推移。
最強通貨ペアであるスイスフラン/円も押し目買い継続とします。
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