米ドル/円が140.24円が下げ止まったのは、偶然ではない!
米ドル/円は、昨年(2023年)11月13日(月)高値151.89円から12月28日(木)安値140.24円まで、1カ月ちょっとで11円急落しました。
しかし、12月に下げ止まった140円は相場の壁で、この下には前回コラムの年間予想でもご説明したとおり、138円~137円付近の厚い壁があります。
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⇒【2024年のFX予想】米ドル/円は138~137円の壁を下抜けできるかにまず注目! 下抜ければ127円が月足の下値目途だが、週足では下げが一気に続くとは考えにくい(2023年12月26日、田向宏行)
よって、12月28日(木)安値が140.24円で止まったのは偶然ではなく、140円とその下の壁を意識した市場参加者が多くいたからと考えられます。
(出所:TradingView)
米ドル/円は当面140~146円の6円幅のレンジになりそう
140円付近でいったん下方向が止められたということは、売りポジションの巻き戻しが起こりやすくなります。先週(1月1日~)は145.97円まで上昇しました。
日足チャートをご覧頂くと、日足レンジ上限の142.83円を超えて一気に145.97円まで上昇していることがわかります。
(出所:TradingView)
つまり、日足レンジ上限付近には売り手の決済が多くあったものと推測されます。
その売り手のストップを巻き込んだと思われる上昇の動きが止まった145.97円付近には、昨年11月高値151.89円から12月安値140.24円の半値である146.06円があります。
先週は新年1週目でもあり、売り手のストップを巻き込んだ動きと、これに便乗した新規の買い手は、ひとまず大きなレンジの半値で決済したのだろうということです。
(出所:TradingView)
このため、当面の米ドル円は140~146円の6円幅のレンジとなりそうです。
ということは、拙著『ずっと使えるFXチャート分析の基本』などで解説のとおり、レンジ内では方向感がないので、このレンジを抜けない限り、今後の経済指標などで上下することが起こりやすくなります。
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米ドル/円の週足は140.24~151.89円のレンジ内の動き。21週移動平均線の下側で推移している
米ドル/円の週足チャートを見ると、昨年11月に151.89円の高値をつけた後、148.79円にあった週足レンジ下限を割り込み、ダウ理論は下向きに転換。その後140.24円まで下げます。
140.24円の安値を付けた後、1月3日(水)に142.83円を上抜けて、週足の下落はいったん終了し、レンジ内での調整になりました。
この調整による戻りでつけた高値が、1月5日(金)高値の145.97円です。
週足は146円手前まで上昇しましたが、140.24~151.89円のレンジ内の動きですし、21週移動平均線の下側で推移しており、引き続き下げる可能性が続きます。
(出所:TradingView)
米ドル/円の日足は140.24円と145.97円のレンジをどちらに抜けるかに注目。21日移動平均線の上側で推移している
ただ、日足チャートを見ていると景色が違います。
日足は151.89円の高値をつけた後、週足より早く149.18円を割ったことで、日足のダウ理論が転換して下向きとなります。
その後、日足はレンジを下方向へ更新して年末に140.24まで下げます。ここまでは週足とほぼ同じです。
日足はメルマガでも配信のとおり、1月3日(水)に日足レンジ上限の142.83円を上抜けて、ダウ理論が上向きに転換します。これで日足の下落トレンドは終了し、上昇の可能性が出てきます。
この上昇の動きが145.97円で止められました。
このため、日足は140.24円と145.97円のレンジをどちらに抜けるかが注目されます。
また、日足は21日移動平均線の上側にあり、この点も上昇の動きを示しています。
(出所:TradingView)
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米ドル/円は140円割れでも、138円手前で止められそう。146円を超えると週足では151.89円に向けて調整
140.24円は週足でも日足でも安値なので、ここを割れば米ドル/円はもう一段下げるはずですが、下にはまず140円の節目、そして前回のコラムで書いた138円付近の相場の壁が下値抵抗としてあります。
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このため、売り手は仮に140円割れで仕掛けても、よほど強い売りでないと、138円手前で止められそうであまり値幅が期待できません。
一方、上方向は146円を超えると、日足レンジが上に更新して上昇するとともに、週足はレンジの上限となる151.89円に向けて調整が広がることになります。
週足は下向きのなかで調整の戻り、日足は上向きの中で調整の下げという状況にあり、方向感が出にくい状態です。
このことは、現在のローソク足が21週移動平均線の下側にありながら、21日移動平均線の上側にあることからも示されています。
米ドル/円は当面、この140~146円のレンジをどちらに抜けるかが注目となってきます。
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