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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

米ドル/円は、高値を追わない押し目買い方針を継続。
新NISAで年16兆円の円売り!? 当面は火曜と水曜に注意!
中銀のスタンス変化で、スイスフランの行方にも注目!

2024年01月18日(木)17:20公開 (2024年01月18日(木)17:20更新)
西原宏一

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想定以上の新NISAによる外国株投信からの円売りで、米ドル/円は148円台まで反発

 みなさん、こんにちは。

 今週になって新NISAに関するエコノミストの試算額が大きくなっているのが目立つためご紹介します。

エコノミストによる新NISAの試算
エコノミストによる新NISAの試算

※日経の報道内容をもとにザイFX!編集部が作成

 みずほ銀行の唐鎌さんの額でもかなりの数字ですが、佐々木さんの16兆円は大きい。



 これが実際にマーケットに投入されれば、今年の年間の円高予想が覆ってしまうかも。

 実際にどれほどの円売りが行われるのかはこれからの資金流入によりますが、年初は4兆円という予測ですら大きすぎると指摘される中、それをはるかに凌ぐ試算がでてきています。

 当初、新NISAがらみの円売りという報道に対し、ほとんど興味を示さなかった欧米勢も今週は情報を取り始めています。

 外国株投信からの円売りですが、一般的にはゴトー日の2日後に外貨買いが持ち込まれるのではという認識が拡大しています。





新NISAによる外国株投信からの円売りは火曜か水曜に集中する!?

 一方、顧客の立場にたてばちょっと違う視点も。

 僕の経験では外貨預金が注目を集めていた頃の外資系金融機関では、月曜日の朝、大量に米ドル買い注文が入っていました。

 個人の行動が同様であると想定すれば、週末にネットを通して外国株投信を購入する顧客が多いと想定されます。







投資信託は1日後の基準価額で購入すると考えれば、火曜日、もしくは水曜日に外貨買いが出る可能性が高いと想定されます。



 実際、今週は16日(火曜日)、17日(水曜日)に米ドル/円は大きく値を上げています。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:TradingView

 毎週、こうした外貨買いフローが起きるとは考えにくいですが、個人的には当面個人の外国株買い動向を警戒しようと考えています。

 一般的には、次は2月2日(2営業日目)の外貨買いに注目でしょうか?

米ドル/円の動向に注意!
米ドル/円の動向に注意!

 今月の米ドル/円はボラティリティ(振れ幅)が高く、先週後半は一気に値を下げるシーンもあったため、米ドル/円は高値を追わず、外国株投信の外貨買いを横目に押し目買い継続

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スイスフラン高はインフレ見通しを変えるほど影響大

 国内では外国株投信の円売りで米ドル/円が注目されていますが、今週欧州で話題になったのがスイスフランです。

 昨年のスイスフラン/円は一時33円も急騰し、史上最高値を更新したこともあり、このコラムでスイスフランは頻繁に取り上げています。

 年間を通して一方的に上昇してきたスイスフランは、多くのトレーダーの注目を集めました。

 2022年の米ドル/円や、昨年のスイスフラン/円のように、明確なトレンドがある通貨ペアがあると、FXはぐっとトレードしやすくなります

 そのため、スイスフランの直近の動きをチェックします。

 僕がチェックしているテクニカルも年末のスイスフランはさすがに買われ過ぎを点灯していましたが、そうした警戒感をものともせず昨年末もスイスフランは続伸。

 今年のスイスフランの動向を占う上で、SNB(スイス国立銀行)総裁の意見をチェックしたいと考えていましたが、17日のマーケットでSNBのヨルダン総裁のコメントがブルームバーグで報道されました。





 「スイス・フラン高、インフレ見通しを変えるほど影響大-中銀総裁」
 (出所:Bloomberg)


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スイスフランの反落の公算高まる! 

 下図は昨年(2023年)の主要通貨の騰落率。


主要通貨の対米ドル騰落率(2023年)
主要通貨の対米ドル騰落率(2023年)

昨年のスイスフランは全ての主要通貨に対してダントツの強さをみせています。

 しかし、17日に「いまや大きな違いは、スイス・フランが強くなったことだ。とりわけ昨年の最終週に大きく上昇した」とSNBのヨルダン総裁がコメントしたことは大きい。

当面スイスフランは一転して弱含むのではないかと想定しています。

スイスフラン/円 週足
スイスフラン/円 週足

(出所:TradingView

 新NISAによる想定以上の外国株投信からの円売りで、米ドル/円は148円台まで反発。

 米ドル/円は高値を追わず、外国株投信の外貨買いを横目に押し目買いを継続。

 SNB総裁のコメントにより、一転して軟調に推移し始めたスイスフランの動向にも注目です。



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