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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

米ドル/円は安値を売らず、忍耐強く戻り売り継続か。日米
為替論争が関税交渉に利用されれば下落トレンドは継続も
、投機筋の円買いが史上最大で突然踏み上げられる可能性

2025年03月13日(木)13:14公開 (2025年03月13日(木)13:14更新)
西原宏一

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トランプ大統領による円安政策に対する批判をきっかけに、米ドル円は一時146.54円まで急落

 みなさん、こんにちは。

前回のコラムでご紹介させていただいた、トランプ大統領による円安政策に対する批判をきっかけに、米ドル/円は一時146.54円まで急落しています。

【※関連記事はこちら!】
ユーロは「ゲームチェンジ」! ドイツの劇的な財政改革案を受け、ドイツ債が過去35年で最大の下落幅となり、ユーロ買いで反応。米ドル/円はトランプの円安政策批判で続落(3月6日、西原宏一)

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足チャート

(出所:TradingView

 そのコメントをもう一度確認してみましょう。


昨年4Qに主流であった現在および予想される循環的なドル強気ケースは、今年初めに転換した。これは主に調査などのソフト・データで確認されているが、もしハード・データで確認されれば、1Q後半から2Qにかけてのドル安をさらに後押しすることになるだろう。
(出所:Bloomberg)



 このトランプ大統領の為替操作に関するコメントに加え、ベッセント財務長官も為替操作について言及しています。


ベッセント米財務長官は、米国はトランプ大統領の下でも「強いドル」政策を続けると表明した。ベッセント氏は6日、ブルームバーグとのインタビューで、「強いドル政策はトランプ大統領によって完全に維持されている」と発言。「われわれはドルが強いことを望んでいる。われわれが望まないのは他の国が自国の通貨を弱くすることや、貿易を操作することだ」と述べた。多くの国が「大規模な黒字を蓄積しており、自由な形の貿易システムは存在しない」と同氏は指摘。為替レートがその一因となっている可能性があるほか、「金利抑制」が要因となっている国もあると続けた。ただ、特定の国名は挙げなかった。
(出所:Bloomberg)


 過去数週間、トランプ大統領とベッセント財務長官が為替操作に言及していることから、為替論争が関税交渉の重要な切り札として利用される可能性があるとの見方が台頭。

 つまり、日本が通貨安政策を取るなら米国は関税措置を講じるというわけです。

 日本は通貨安政策をとっているわけではないのですが、日銀が長期にわたって低金利を維持していることを、米国は「低金利維持=円安誘導」ととらえているのでしょう。

 米ドル/円は年初の高値である158.87円と比較すれば、すでに10円値を下げていますが、米国が「日本は円安誘導している」と考えているのであれば、もう一段値を下げる可能性が高い

 こうした流れの中では、米ドル/円は続落する可能性が高く、トレードはやりやすくなったことになりますが、1つの懸念があり、僕もいったん米ドル/円のショートは147円台前半でスクエアにし、戻りを待っています。

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投機筋の円買いが過去最大に。米ドル/円は突然踏み上げられる可能性もあるため、安値を売らず、忍耐強く戻り売り継続か

 その懸念とは、投機筋の円買いが過去最大になっていること。

 何度かご紹介させていただいたように、投機筋の円ロングが増えていて過去最大となっています。

 3月4日(火)時点で、IMM(国際通貨先物市場)の円ロングポジションは13万3651枚(約1兆6700億円)と、前週(2月25日)からおよそ4割増え、1992年10月以来で過去最大を更新しています。

シカゴIMM通貨先物ポジション推移(日本円)
シカゴIMM通貨先物ポジション推移(日本円)

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移

 ということは、米ドル/円が70円台に急落した2011年の超円高局面と比べても、さらに大きな円買いポジションを短期筋が取っているということになります。

 このことから、海外短期筋は米ドル/円に対してかなり弱気であることがわかります。

 彼らは為替に対して素人ではなく、マーケットの見方はおおむね合っています。

 ただ、この史上最大の円ロング(米ドルショート)は警戒せざるを得ない

 この懸念のとおり、3月11日(火)に146.54円をつけた米ドル/円相場が、3月12日(水)にはあっというまに149.19円まで急騰し、一部の米ドルショートは簡単に踏み上げられています。

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足チャート

(出所:TradingView

 しかし前述のように、為替論争が関税交渉の重要な切り札として利用されるのであれば、米ドル/円の下落トレンドは継続し、本稿執筆時点での148円台は、中期的にまだ円安水準と言えます。

 注意すべきは、過去最大に膨れ上がった投機筋の円買いのポジション。

 大きなニュースもないなか、米ドル/円は突然踏み上げられる可能性もあるため、安値を売らず、忍耐強く戻り売り継続でしょうか?


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