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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

米ドル/円は乱高下の可能性が高い! 3/31に期末の特殊フ
ロー、4/2にトランプ政権の25%自動車関税発動とさらな
る関税発表を控え、米国株の動向を横目に短期売買中心で

2025年03月27日(木)14:33公開 (2025年03月27日(木)14:33更新)
西原宏一

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トランプ米大統領が25%自動車関税を4月2日に発動すると発表!

 みなさん、こんにちは。

 日本時間3月27日(木)未明、トランプ政権から突然アナウンスメントがありました。

 内容は日本時間5時に「トランプ米大統領が自動車関税を発表」するとのこと。

 この報道に僕も含め、多くのアジアのトレーダーも早朝起床して報道を待つことに。

 そして「トランプ米大統領、25%の自動車関税を発表-4月2日発動」と発表されました。


トランプ米大統領は26日午後(日本時間27日午前)、米国産以外の全ての自動車に25%の輸入関税の賦課を命じる布告に署名した。4月2日に発動する。米国への製造業回帰を目指すトランプ氏は貿易戦争を拡大することになる。同日にはさらなる関税の発表も予定している。トランプ氏はホワイトハウスの大統領執務室で記者団に対し、「米国外で生産される全ての自動車に25%の関税を課す」とした上で、「米国で事業を行い、この国の雇用や富、多くのものを長年にわたり奪っている国々に課税する」と話した。
(出所:Bloomberg)


 この25%の自動車関税はかなりタフです。

 現在の乗用車関税率は2.5%であり、これが10倍に引き上げられます。例えば、1万ドルの日本車が突然1万2500ドルに高騰するわけです。

 これでは、米国で生産していない日本車の売れ行きはガタ落ちでしょう。

 同じ日本車でも、米国生産の日本車の収益は増大することになります。

 一方、韓国については「韓国自動車モビリティ協会(KAMA)によると、昨年(2024年)の対米自動車輸出台数は全輸出台数の51.5%だった」との報道が複数あり、打撃が大きそう。

 そのため3月24日(月)、韓国の現代自グループが「米国に210億ドル投資する」といった発表になったのでしょう。

 国内でも、マツダは車種展開が米国市場を意識したものであるにもかかわらず、日本からの輸出を軸にしており、収益が心配されるところ。

 ロサンゼルス在住で、日本から自動車部品を輸入販売している僕の友人も困惑しています。彼はボディではなく自動車部品の輸入なので、関税がまだ何%なのかわかっていないらしいのですが、仮に25%だとかなり厳しいと言っていました。

 トランプ米大統領はホワイトハウスの大統領執務室で記者団に対し、「米国外で生産される全ての自動車に25%の関税を課す」とした上で、この措置は「非常に穏健」なものだとしています。

 そして、4月2日(水)にさらなる関税の発表も予定しているとのこと。

 それでは、この自動車関税がどのようにマーケットに影響を与えているのかチェックしてみましょう。

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トランプ政権が自動車関税発動〜米国株反落で、risk offへ4月2日までは乱高下必至なので、短期売買中心で

 自動車関税発動の報道で、米国株は下落。

 貿易戦争が経済とインフレに与える影響への懸念が再燃し、ハイテク銘柄中心に売りが優勢となった展開です。

S&P500 日足
S&P500 日足チャート

(出所:TradingView

 先ほど書いたように、4月2日(水)にはさらなる関税の発表も予定しているそうなので、4月2日(水)までは株の動向にも注目です。

 一方、この関税報道で、米ドルが主要10通貨すべてに対して上昇。米ドル/円は一時150円台後半まで再び値を上げています。

 ただ、この米ドル高が続くのかというと、それは疑問です。

 まず来週の月曜日、3月31日(月)は日本の期末にあたり、それに絡んだ特殊フローで今週の為替は乱高下しています。

 例えば、今週月曜日(3月24日)の米ドル/円は、大きなイベントやニュースもない中、期末を控えた本邦事業法人の米ドル買いにより、150円台後半まで上昇しています。

 米ドル/円に関しては、IMM(国際通貨先物市場)の円ロングポジションが3月18日(火)週時点で12万2964枚と、前週の13万3902枚に続き7週連続でかなりの円ロングの状態が続いているため、その円ロング調整の米ドル買い・円売りもあったと考えています。

【※関連記事はこちら!】
米ドルは基本戻り売りだろうが、今週は短期トレードのほうが安全かも。3/31の本邦年度末に伴う特殊フローと、4/2のトランプ政権相互関税発動に警戒!(3月24日、西原宏一&叶内文子)

 そして、なんといっても関税報道で株下落、リスクオフとなると、どうしても米ドル/円、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の売りがマーケットに持ち込まれます。

 期末の円売りフローも考慮すると、4月2日(火)が終わるまでは多くのニュースをマーケットが消化しきれず、トレンドなく乱高下するだけのマーケットに終始する可能性が高いので要注意です。

 トランプ大統領による自動車関税は、特例もなく25%の関税が実施されるようです。

 そして期末の特殊フロー、さらには4月2日(火)を控えていることから、4月2日(火)までは米国株の動向を横目に短期売買中心で。トレンドが出るのは4月2日(火)以降でしょうか?

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView


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