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※当記事は2026年3月31日(火)に執筆しています。
2025年度が終わり、2026年度相場が始まる
米ドル/円相場は160円に再度乗せ、その近辺で2025年度を終わろうとしています(ちなみに、2025年度最終日仲値は159.90円)。
2025年度は、トランプ関税に140円近辺へのリスクオフ相場もありましたが、高市政権誕生を機に円安相場に戻り、途中「日米協調レートチェック」で押し戻されたりもしましたが、米・イスラエルによる対イラン戦争に円安が一層進むことになりました。

(出所:TradingView)
2026年度に向け、このところの為替市場の論点を整理したいと思います。
1.円安志向、金融緩和志向の強い高市政権
高市首相が円安志向、金融緩和志向であることは、多くの市場関係者が同意するところでしょう。10月4日(土)に行われた自民党総裁選挙で高市早苗総裁が誕生すると、前営業日に147.40円前後で引けた米ドル/円相場は2円のギャップを開けて149円台でスタートし160円近辺まで上昇しました。
2026年に2人の日銀審議委員(野口旭氏、中川順子氏)が退任しますが、その後継として中央大学名誉教授浅田統一郎氏と青山学院大学教授佐藤綾野氏、2人の「リフレ派」学者を選任しました。
野口氏はリフレ派だったので、1人はリフレ派を選任するだろうとは見られていましたが、2人ともリフレ派というのは市場を驚かせました。高市首相の意向と思われます。
今後日銀は利上げする際は、政府側、特に首相を如何に説得するかがポイントとなってくるでしょう。
2.日米協調だった「レートチェック」
1月23日(金)、日銀政策決定会合後に159円台に円安が進むと、急激に大きな売りが入り157円台前半と、一気に2円も円高が進みました。
【※関連記事はこちら!】
⇒米当局のレートチェックで米ドル/円は急落!なぜ「極めて異例」とも言える為替市場へ踏み込んだのか?そして「借り」を作った日本政府はどう動くのか?(1月26日、志摩力男)
その日のNY市場後場にさらに円高が進み、「FRBがレートチェックしている」とのウワサが広まり152.10円前後まで円高が進みました。日米が協調行動を採るのは極めて異例です。
その後、日経新聞が報じるところによるとレートチェックは日本側からの要請ではなくベッセント米財務長官が主導したことのようです。しかも日本側の要請があれば日米協調介入も検討していたようです。
1月のレートチェック、米財務長官が主導 協調介入も一時視野
(出所:日経新聞)

(※筆者提供)
日米協調レートチェックがあった頃は米長期金利が上昇していました。日本の長期金利上昇が米国に伝播したとベッセント氏は発言していましたが、米長期金利上昇をどうしても止めたいベッセント氏の意向が日米協調でのレートチェク実現につながったのでしょう。
日米が為替市場において協調行動を採る時、基本的にそれはめったに負けません。上記のチャートを見ればわかるように、協調行動の為替介入は基本的に負けません。
1985年のプラザ合意は有名ですが、1995年7月の「七夕介入」、その後の1998年6月の日米協調ドル売り介入、2011年東日本大震災のときに行われたG7(先進7カ国)による協調介入、いずれもマーケットの天底を付けています。
実は1987年に「ルーブル合意」があり、下がりすぎた米ドルを買い支える介入もありましたが、それはあまり効果的ではありませんでした。それでも、米ドルの暴落を防いだという面はありました。
今後、米ドル/円が160円を突破し、2024年の高値161.95円を抜けたりすると、ストップロスの発動から163~164円台もあるかもしれません。
しかし、そこまで行くと為替介入が行われる可能性は高いでしょう。

(出所:TradingView)
しかも、レートチェック時の経緯から考えて、次の「米ドル売り・円買い介入」は日米協調介入になるはずだ。そうでなければ、米国には為替安定化への意志なしとみなされる可能性がある。市場は疑心暗鬼となり、米国に為替安定のための意志なしとみなされると、かえって円安が進んでしまうからです。
次の為替介入が日米協調となった場合、米ドル/円は相当下落するでしょう。
3.米国・イスラエルによる対イラン戦争
最後の難題は対イラン戦争です。戦争開始から1カ月。トランプ大統領はベネズエラの時のように1日で終わるものと考えていたらしい。これは、明らかに誤算です。
日本は資源国ではありません。原油の備蓄があるといってもわずか250日、そのうち厳しくなります。
それでも日本は恵まれています。新興国の多くは備蓄はあまりありません。フィリピンは「非常事態」を宣言し、日本から経由を14.2万バレル緊急調達します。多くの国で大変厳しい事態を迎えることになるが、すべてトランプ大統領の浅はかな行動から始まったことであり、米国に責任があります。
1バレル120ドルや150ドルといったレベルもウワサされますが、このままだと多くの国が経済危機を迎え、世界経済は撃沈します。インフレと景気後退が同時進行するスタグフレーションとなるのは確定的です。

(出所:TradingView)
米国のもたらした大災害だが、こうしたときに必要になるのは、決済に必要な資金、すなわち米ドルだ。有事の米ドル買いは、最初は実需からきます。そして、インフレ上昇を背景に米金利は上昇し、米ドルの上昇を促すことになります。
イランとの戦争は短期的に米ドルを上昇させますが、中長期的には逆方向に働くでしょう。
米国の覇権に疑問符がつきました。戦争終結とともに、米国(米ドル)から資金が流れ始めるのではないでしょうか。
とはいえ、どこかに米国以外の覇権国があるわけでもありません。中国は為替管理を行っており、人民元は自由に売買できる通貨ではないです。よって、米国を離れる資金の受け皿に人民元はなれません。
スイスフランは安全性においてはピカイチですが、あまりにも高すぎるし、そもそもスイスは小国だ。ユーロはエネルギーとウクライナにおける戦争が終わらないと、本格的には買い難い。
どの通貨が良いのか結論は難しく、目先は消去法的に金に向かったりするのでしょう。だが、受け皿通貨が決まると、その通貨は驚くほど上昇する可能性がある。注意して見ておきたい。
結論というわけではないのですが、イランにおける戦争が続くと、有事の米ドル買いが進むことになります。特に非資源国通貨、新興国通貨は厳しい。しかし、戦争が終わると米ドル以外の受け皿となる通貨探しが始まるだろう。
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