本日のNY市場におけるドル円は、米株動向や米インフレ指標、中東情勢を睨みながらの展開となりそうだ。また、ドル円が4月30日の高値に接近していることで、ストップロスの誘発や為替介入への警戒感も意識される局面を迎えている。
米株市場では、先週から半導体株を中心としたハイテク株の調整色が強まっている。本日の米株価指数先物は、トランプ米大統領がイランへの軍事行動について「作戦は完了した」との認識を示したことで反発しているものの、積極的にリスクを取りに行く地合いにはなっていない。
背景には、昨日引け後に決算を発表したオラクル社の内容がある。2026年度第4四半期(3−5月期)は市場予想を上回る好決算となったが、AIデータセンター拡張に向けて2027年度の設備投資を最大950億ドルへ引き上げる計画を示したことで、市場では投資負担の拡大を懸念する声も聞かれている。先週のブロードコム決算後の値動きと同様、市場が好材料よりもリスク要因に敏感に反応する状況が続けば、ハイテク株主導で株式市場の調整が深まる可能性もある。米株が調整色を強めれば、クロス円を中心に円買い戻しが強まる展開も想定されるだろう。
本日は5月の米卸売物価指数(PPI)の発表も予定されている。市場予想では総合指数が前年比6.4%と前月の6.0%から加速し、食品・エネルギーを除くコア指数も5.4%と前月の5.2%から上昇する見通しだ。前月は前年比6.0%、前月比1.4%と約4年ぶりの大幅な伸びを記録しており、今回もインフレ圧力の根強さが確認されれば米金利上昇を通じたドル買い要因となるだろう。一方で、予想を大幅に上回る結果となった場合は、株安を招き、リスク回避的なドル売りにつながる可能性もある。
中東情勢については、依然として報道内容が日替わりで変化している。トランプ大統領は今回の軍事行動について一区切りとの認識を示しているが、市場はその発言を額面通りには受け止めていない。今後も楽観論と悲観論が交錯し、その都度原油先物相場が振らされる展開が続く公算が大きい。為替市場も原油価格やリスク選好度の変化に敏感な反応を示すことになりそうだ。
ドル円は上昇ペースこそ緩やかだが、押し目が極めて浅く、根強い円売り需要が確認されている。連日の匍匐前進のような値動きながら高値を切り上げ、本日も160.59円まで上値を伸ばした。4月30日の介入局面で付けた160.72円が目前に迫っており、この水準を明確に上抜けた場合はストップロスを巻き込んだ上昇が加速する可能性がある。特に161.00円を突破した際に当局による円買い介入が確認されなければ、162円台から163円台まで一気に値幅を広げるとの見方も市場では浮上している。
一方で、仮に急騰局面で介入が実施されたとしても、市場の円売り地合いが強いままであれば下押しは限定的にとどまる可能性がある。160円後半から161円台にかけては、投機筋と為替当局の綱引きが一段と激しさを増しそうだ。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、4月30日高値160.72円。その上は161円台の大台や2024年7月11日高値161.76円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、日足一目均衡表・転換線159.91円。その下は21日移動平均線159.52円。
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