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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

米ドル/円は160円が上値の目安も、レンジ相場で売りはスワップ負担が重い。注目は120円を目指す高金利の豪ドル/円!

2026年08月20日(木)15:01公開 (2026年08月20日(木)15:01更新)
西原宏一

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米ドル/円は160円が日米協調介入を意識する上値の節目に。ボラティリティは急低下

 みなさん、こんにちは。

 前回のコラムでご紹介させていただいたとおり、米ドル/円の160.00円レベルは日米協調介入が意識される節目として上値が抑えられており、今週(8月17日~)の米ドル/円は159.78円を高値に158.03円へ反落しました。

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米ドル/円は調整が入れば155.23円の介入安値が視野入りする!? 為替介入ではトレンドは作れない! 結局、日銀が動かなければ円安継続はやむなしなのか(8月13日、西原宏一)

 上値は160.00円が目安、下値は155円割れを試すという当初のシナリオ自体は生きていますが、介入から3週間が経過した本稿執筆時点の米ドル/円は158円台前半で膠着しており、ボラティリティは急低下しています。

 当面の米ドル/円は160円を上値の目安に、下値を探る展開を想定しています。ただ、155~160円のレンジにはまり込む可能性も高まってきました。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView(トレーディングビュー))

 このレンジ環境下では、米ドルショートの妙味が薄れつつある点が悩ましいところです。

 FRB(米連邦準備制度理事会)の誘導目標金利は3.50~3.75%、日銀の政策金利は1.0%で、日米の金利差は依然として大きい状況です。

 そのため、米ドル/円のショートはネガティブキャリーとなり、ポジションを保有するほどスワップコストが重くのしかかります。

 トレードの期待値がじりじり低下してきたことで、「160円に迫れば米ドルショート、155円に迫れば米ドルロング」という単純なレンジトレードに終始せざるを得ない、やや消化不良な相場つきになっています。

 トレードとしては、他の通貨ペアを模索したいところです。そこで注目したいのが豪ドル/円のロングです。

豪ドル/円に注目! 高金利に加え、協調介入後の急落もほぼ取り戻す

 ここで、主要通貨の米ドルに対するトータルリターン(スポットリターン+金利収益)を年初来で示したものを見てみましょう。

主要通貨の米ドルに対するトータルリターン(年初来)

 米ドルに対するトータルリターンでは、豪ドルが群を抜いて強く、+9.60%と主要通貨中1位。対する円は-0.55%と主要通貨の中でも下位に沈んでいます。

 この2つを組み合わせた豪ドル/円のトータルリターンは、年初来で約10%に達します。

 豪ドル/円はクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)であるだけに、日米協調介入に対する耐性はチェックしておきたいところです。

 豪ドル/円は協調介入で109.24円まで急落したものの、それをほぼ取り戻し、一時113.61円まで回復するなど、値動きの底堅さが際立っています。

豪ドル/円 日足
豪ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

 RBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])も、8月11日(火)の理事会で追加利上げの選択肢を明確に残しました。会見では、利下げは議論すらされていないことも明らかになっています。

金融政策のベクトルが依然として引き締め方向にあることも、豪ドル/円の支援材料です。

 一方、米ドル/円のボラティリティ低下は他通貨ペアにも波及しており、市場全体でボラティリティが縮小する環境が生まれています。

 こうした低ボラ環境下では、高金利通貨である豪ドルの円クロスのロングは相対的に魅力が高まりやすく、時間はかかるものの、スワップポイントによる収益が期待できる(=金利差を『取り』に行ける)という強みを活かせます。

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 米ドル/円は上値が重く、方向感を欠くレンジ相場に沈んでいます。こうした環境では、方向性の出にくい米ドル/円そのものより、金利収益を狙える豪ドル/円のほうが、ヘッジファンドなどの物色対象になりやすいと考えられます。

時間をかけながら120円を目指して値を切り上げていく展開を想定しており、豪ドル/円が注目の通貨ペアになりそうです。

豪ドル/円 週足
豪ドル/円 週足チャート

(出所:TradingView


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