2011年に入ると、昨年末の急落の反動でユーロ/スイスフランは反発を演じます。
加えて、スイス中央銀行がスイスフラン高に懸念を表明したこともあり、ユーロ/スイスフランは先週1週間で500ポイントも急騰しました。
ただ、今週に入ってからのユーロ/スイスフランは上昇に一服感が出ており、1.3000フランで上値を押さえられています。
逆に、今週のユーロ/米ドルは週初にアジアの中央銀行が大口のユーロ買いを市場に持ち込んだとのウワサもあり、反発に拍車がかかった形になっています。1.3500ドルのバリアを突破し、一時は1.3539ドルまで急伸しています。
ユーロ/スイスフランはユーロ/米ドルのリーディングカレンシーという側面もありますので、ユーロ/スイスフランの動きから考えれば、ユーロ/米ドルの反発はそろそろ沈静化するのではないでしょうか?
■米国株が調整局面入りなら、ユーロの上昇も一服か?
今週はここまで、友人のヘッジファンドでは大きな動きはないようです。
先週、ユーロ/米ドルやユーロクロスのショートポジション(売り持ち)をいったんスクエアにしてからは、ユーロ絡みのポジションはとっていないとのこと。
そのような彼らが今週のイベントで注目しているのが、米国の金融機関の決算です。
1月19日(水)に発表された米ゴールドマン・サックスの決算は、1株利益が3.79ドル(アナリスト予想3.79ドル)で、前年同期比52%減となりました。トレーディングと投資銀行部門が伸び悩んだことが要因とのことです。
市場予想に沿った結果ですが、発表後のゴールドマンの株価は前日比4.7%の大幅安となりました。
今回の米国の金融機関の決算は芳しくなく、KBW銀行指数は2.4%安、S&P500種は昨年11月以来の大幅安となっていて、連れて、ユーロ/米ドルのみならず、ユーロ/円、ユーロ/スイスフランといったユーロクロスも反落しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
仮に、株価が調整局面に入るとすれば、ユーロ/米ドルのみならず、ユーロクロスも再び反落する可能性が出てきます。
このコラムを執筆している1月20日(木)午前中のユーロ/米ドルは1.3470ドル、ユーロ/円は110.60円レベルで推移しています。
米国株のさらなる下落を懸念し始めた友人のヘッジファンドは、ユーロ/米ドル、ユーロ/円の下向きのオプションを物色しているそうです。
ユーロ当局の迅速な対応によって反発に転じたユーロですが、米国株の軟調な展開がユーロの上値を抑える可能性が出てきました。
今週後半も、米国株、ユーロ/米ドル、ユーロクロスの動きに注目です。
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