これは一般的にも言えることですが、日本の場合、海外に対しての債権国ですので、国内で経済的な危機が起きると円買いが起こりやすいという特徴があります。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
ところが、不思議なことに、市場はいつも最初のリアクションを間違えてしまいます。これがずっと繰り返されてきました。
3月17日(木)の早朝、急激に円高が進みましたが、これは米ドル/円で75円から80円にかけて、大量のオプション関連などのトリガーがあったため、売りが売りを呼ぶという状況が生まれてしまったからです。
さらに、個人投資家の円売りの逆指値がさまざまな通貨に対してあったため、円全面高となってしまいました。
■トリガーがついたため、この点からの円高圧力は和らいだ
下落率を見ると、ポジションがたまっていた豪ドル/円あたりが高くなっています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足)
私が今聞いているかぎりでは、トリガーはかなりついてしまったようですので、その点からの円高圧力はかなり和らいだと思います。
また、足元で生保などが国内へ資金還流(レパトリ)しているという話もあまり聞きません。今後起きるかについても、まだ本格的に起きるとは聞いていません。
ただ、年度末の時期ですので、今回の震災を受けてリスクを減らそうという動きが出てくる可能性はあるので、注意は必要だと思います。
最後に、日本政府はあらゆる方法で、この国難を乗り切らなければなりません。
日本経済を支えるという意味では、金融市場を安定させるというのも重要な対策の1つです。混乱する市場に対して、日本政府のき然たる態度を期待しています。
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