こんにちは。
■ユーロ/米ドルは一時1.40ドル台半ばまで下落した
今週に入っても、金融市場では「sell in May and go away」の動きが続いており、コモディティとユーロ/米ドルは続落しています。
ユーロ/米ドルは5月16日(月)に、前回のコラムでご紹介したサポートレベルである1.40ドル台前半(安値は1.4047ドル)まで急落しました(「商品、資源国通貨急落のリスク回避相場!なのに、米ドル/円が底堅い理由とは?」を参照)。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
その後、コモディティの反発と、ギリシャの債務再編問題に対する懸念が薄らいだことで、ユーロ/米ドルや、ユーロ/円をはじめとするクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)は総じて反発しています。
■ユーロ/米ドルの調整は終了し、1.5ドルを目指す展開へ
マーケットでは、今回のユーロ/米ドルの下落が一時的な調整なのか、それとも、米ドルの本格的な反発なのかに注目が集まっています。
米ドルの行方を左右するカギを握るのは、FOMC(米連邦公開市場委員会)でしょう。
そのFOMCの4月26日(火)~27日(水)開催分の議事録が、日本時間で5月19日(木)早朝に公表されました。
当初は、出口戦略に関する議論がなされたということで、ユーロ/米ドルは1.4195ドルまで急落しました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 1時間足)
しかし、金融政策正常化に向けた動きがすぐに始まるわけではないということが明らかになるにつれ、ユーロ/米ドルは反発を開始し、現執筆時点では一時、1.4309ドルまで上昇しています。
コモディティ価格も上昇しています。
多くのエコノミストは、「出口戦略が議論されたからといって、金融政策正常化に向けた動きがすぐにも始まるわけではない」という点を指摘しています。
結果として、米国株は上昇し、クロス円も総じて反発しています。
先週懸念されたギリシャの債務再編問題に対する懸念も薄らいでおり、ユーロに対する下落圧力は大幅に後退しました。
5月に入ってからのユーロ/米ドルの急落はテクニカルな調整であり、5月16日(月)の1.4047ドルをボトムとして、メイントレンドに回帰しています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 週足)
ユーロ/米ドルは調整を終了し、再び1.5000ドルに向けて上昇を再開する可能性が高まったのではないでしょうか?
■米ドル/円の本格反転は、アメリカの「出口戦略」待ち
さて、米ドル/円は大きな動きはないものの、依然として底堅い動きを見せています。
今週に入って、クロス円の下落時に何度も80円台ミドルをトライしましたが、ことごとく反発しています。
FOMC議事録公表後のドル金利の上昇に連れて、本日の東京市場では一時81.83円まで反発しています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
ただ、前回のコラムにも書いたように、米ドル/円の本格上昇は、相関性の高いドル金利の動向しだいでしょう(「商品、資源国通貨急落のリスク回避相場!なのに、米ドル/円が底堅い理由とは?」を参照)。
前述のとおり、アメリカの「出口戦略」は議論はされているものの、FRB(米連邦準備制度理事会)は依然として慎重な姿勢を崩していません。
そのため、現時点では米ドル/円の上値は限定的となっています。
値動きの乏しくなった米ドル/円ですが、その地合いが変わるタイミングは「QE2(追加的量的緩和政策)」が終わる6月以降になりそうです。
当面、米ドル/円は80円台に反落した局面でロングポジション(買い持ち)を構築して、戻りを売るという丁寧なトレードが求められそうです。
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