前回のコラムでご紹介したスイス中央銀行(SNB)のヒルデブラント総裁が、スイスフラン高を強引に止めてしまいました(「ヘッジファンド出身のスイス中銀総裁が宣戦布告! 日本の再介入はあるか?」を参照)。
このところのユーロの急落にもかかわらず、ヒルデブラントSNB総裁が「介入により阻止する」と明言したユーロ/スイスフランの1.2000フランは、ブレイクされていません。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/スイスフラン 4時間足)
結果として、唯一のsafe haven currency(避難通貨)である「日本円」に資金が逃避してきています。
したがって、今週に入るとクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の下落が鮮明となっています。
■クロス円の上値が限定的になってきている
ユーロ/円は、9月12日(月)に103.89円の安値まで急落した後、先にご紹介したユーロ/米ドルのように保ち合いを演じて、104~106円のレンジで推移しています。
ただ、ユーロ/円の上値は極めて限定的となっています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 4時間足)
マーケットの不透明感を反映して、資源国通貨で、かつ、本邦の個人投資家にも人気の高いブラジルレアルも、今週に入って大きく下げています。ブラジルレアル/円は44.18円まで急落しました。
連れて、アジアの資源国通貨の雄である豪ドルも、足元ではじり安となっています。
豪ドル/円は、82円台からジリジリと下落してきたところに、ブラジルレアルの下落につられた形で下落が加速し、節目の80.00円を割り込んで、9月14日(水)の海外市場では78.12円まで下落しました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足)
ギリシャのデフォルトが現実化してきた現在のマーケット環境では、リスク許容度は極めて低くなっています。そのため、リスクアセット通貨である豪ドル/円の上値は限定的です。
豪ドル/円の目先の下値ターゲットは、8月9日(火)につけた76.52円といったところでしょうか?
このような状態を打破するためなのか、9月16日(木)と17日(金)に行われるEU(欧州連合)の財務相・中央銀行総裁会議に、米国のガイトナー財務長官が招待されたようです。
今週末のEU財務相・中央銀行総裁会議に注目ですね。
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