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西原宏一・叶内文子の「FX&株 今週の作戦会議」

米ドル/円は151~155円レンジでの押し目を買う戦略を
取りたい!もし米国株の調整局面が続けば日本円よりも
スイスフランが選好されそう

2025年11月10日(月)13:00公開 (2025年11月10日(月)13:00更新)
西原宏一&叶内文子

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※本稿執筆時点では米国の政府閉鎖は続いていて、解除に向けた新しい材料は出ていませんでした。

Palantir株暴落をきっかけに米国株反落!連れて日経平均も大幅安に!

西原宏一(以下、トレーダー西原)叶内文子(以下、MC叶内)みなさん、こんにちは

MC叶内 西原さん、今週(11月10日~)もよろしくお願いします。先週のマーケットは波乱の展開でどきどきしましたね。

トレーダー西原 叶内さん、こちらこそよろしくお願いします。Palantir株の急落がきっかけで米株が急落。それが日経平均の下げを加速した局面もあり、なかなか激しい動きでしたね。本日も興味深いお話ができればと思います。

 では、まず先週の振り返りからお願いします。

MC叶内 S&P500は先週末比1.62%安で4週ぶりに反落しました。AI関連の高バリュエーションに対する警戒感が強まりました。

 ナスダック総合指数も3.04%安と急落、米国のハイテク株全般に利益確定売りが広がりました。特にエヌビディアやAMDといった半導体関連株の下落が目立ちました。

 これを受けて東京市場では、日経平均は先週末比2134円(4.07%)安と3週ぶりに下落しました。週明け(11月5日)には取引時間中に2400円急落、5万円の大台を割り込む場面もありました。投資家心理が大きく悪化する波乱含みの1週間となりました。

 米国では政府機関の一部閉鎖が長期化し、経済指標の発表が相次いで延期される異例の事態となっています。雇用統計などの重要指標が発表されない中、民間の人員削減数が急増したとの報道も市場心理を悪化させる要因となりました。

 トランプ関税をめぐる口頭弁論が始まり、最高裁判所が懐疑的な見方を示したと伝わったことも懸念材料でしょう。為替市場はいかがでしたか。

トレーダー西原 振り返ってみれば、10月4日の自民党総裁選での高市氏勝利を受け、高市トレードがスタート。米ドル/円は147円台ミドルから、11月4日の154.48円まで、約9円上昇。

 さすがに155.00円はノックアウト・オプションもあり、調整局面入りしています。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:TradingView

 一方、先月(10月)の日経平均は7580円高(終値5万2411円-初値4万4831円)と歴史的な上昇となっており、こちらも高値警戒感が高まっていました。

 そんな相場環境下、11月4日に米国株が急落。

 米国株が大きく値を崩したきっかけはPalantir株の急落

 Palantir株は好決算を発表していたにもかかわらず、株価は一時暴落しています。

 今回のPalantir株急落の影には、ある人物がいます。

 それがマイケル・バリーです。

 では、マイケル・バリーとはどういう人物なのか?

職業:ヘッジファンド運営者(サイオン・アセット・マネジメント)
元の職業:医師(神経学者)
有名になった理由:2008年のリーマンショックを予測して大きな利益を得た
ニックネーム:「世紀の空売り」「空売りの帝王」
映画:「マネー・ショート 華麗なる大逆転」の主人公のモデル

 なぜ有名なのか?

2008年のリーマンショック前、バリー氏は「住宅バブルは崩壊する」と予測しました。この予測は的中し、彼は市場史に名を残す投資家となりました。

 そのマイケル・バリー氏が率いるヘッジファンド会社サイオン・アセットは、エヌビディアとPalantir株に対する弱気のポジションを開示しました。

 市場関係者の間では、OpenAIやエヌビディアなどAI関連企業の間で資金が循環する取引が行われており、AIブームが実態以上に大きく見えているのではないかとの懸念が強まっていました。

 このタイミングでのバリー氏の動きは、こうした懸念を増幅させ、Palantir株の急落を誘引、米国株は大きく値を下げ、日経平均も一時2000円を超える暴落を演じました。

S&P500 日足
S&P500 日足

(出所:TradingView

日経平均 日足
日経平均 日足

(出所:TradingView

 為替市場も一時リスクオフへ。

 リスクアセットである豪ドル/円は101円台から99円割れまで一気に急落、ユーロ/円も値を崩す展開ですが、米ドル/円の下げは153.00円割れまでと限定的でした。

 この米ドル/円の下げ幅が限定的だったことが、今週(11月10日~)の相場のヒントになると想定しています。

 では、今週(11月10日~)のイベントと株の注意点をお願いします。

米国の経済指標発表が乏しい中ではFRBの利下げへの期待は盛り上がらない

MC叶内 経済指標では、米国は本来なら13日のCPI(消費者物価指数)がもっとも注目されるところですが、政府機関閉鎖の影響で発表されない可能性が高いです。

 14日(金)の小売売上高も出ないでしょう。今のところ民間データは堅調ですが、経済格差を示す「K字経済」という言葉が聞かれるようになってきました。

 経済指標が出てこない状況でFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げへの期待は盛り上がりにくいとみられています。

 国内では、10日(月)景気動向指数、11日(火)景気ウォッチャー調査、12日(水)工作機械受注、13日(木)国内企業物価指数が出てきます。また10日(月)には日銀金融政策決定会合における主な意見が公表されます。14日(金)はオプションSQ算出日です。

 そのほか、海外では14日に中国の小売売上など複数指標が出てきます。なお11日は「独身の日」です。

 米国の決算発表は一巡しましたが、AI関連のコアウィーブや半導体のアプライドマテリアルズが決算発表をします。

 国内は決算発表シーズンのピークを迎えます。個別の動きが大きくなりそうです。11日(火)のソフトバンクグループの動きは日経平均にも影響が大きそうです。

 AI関連の調整が続くのかが市場の焦点ですが、来週(11月16日~)19日(水)のエヌビディアの8-10月期決算発表まで待つことになるかもしれません。

 政治面では、米国でつなぎ予算をめぐる与野党協議の進展があれば好感されそうです。
 米中貿易戦争はいったん休戦。国内は高市政権の成長戦略に期待継続です。

 為替市場はいかがですか。

米ドル/円は151~155円レンジでの押し目買い。米国株調整継続ならスイスフラン買いも選択肢

トレーダー西原 今週(11月17日~)の為替市場ですが、確かに10月4日の自民党総裁選での高市氏の勝利を受け、高市トレードは時間的に約1カ月、値幅的には約9円上昇したことでいったん調整局面に入ったとみられます。

 ただ、中期では高市政権の責任ある積極財政政策を背景とした円安トレンドは継続すると見ています。

 よって、米ドル/円の下値余地は限定的で当面151円から155円のレンジ内で推移すると予想しており、押し目買いのスタンスを維持します。

 ただし、リスク要因には十分注意が必要です。先週(11月3日~)のように、米国株式市場が大きく調整する局面では、リスク回避の円買いが強まる可能性があります。

 特に、AI関連株の調整が続き、日経平均が続落するような局面には留意する必要があります。

 ただそうした局面では、円より避難通貨のスイスフランのほうが選好されると考えており、スイスフラン/円のロングポジションを維持する戦略に再び戻そうと考えています。

 結果、米ドル/円は151~155円レンジでの押し目買い

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:TradingView

 米国株の下落に警戒しながら、調整が続きそうであれば、米ドル/円よりスイスフラン/円のロングを中心に組み立てようと考えています。

トレーダー西原 MC叶内 では、今週(11月10日~)も株と為替のトレーディングを楽しんでいきましょう。


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今井雅人