■「過剰流動性」の相場環境は変わっていない
さて、他の通貨に目を向けてみると、資源国通貨の豪ドルも、対円で堅調な値動きを続けています。
豪ドル/円は、2月9日のコラムでご紹介した90円のターゲットへ向けて、ジリジリと値を上げています(「資源国通貨高・避難通貨安の展開へ。豪ドル/円は中期的に90円へ向けて上昇か」を参照)。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 4時間足)
円安要因の1つである「過剰流動性」の相場環境は変わっておらず、円売りの対象通貨として、豪ドルに対する需要は引き続き旺盛です。
主要国が軒並み、低金利政策を採用する環境下、オーストラリアの4.25%の政策金利は魅力的であり、本邦個人投資家の間でも、豪ドル建ての投資信託には根強い人気があるようです。
■豪ドル/円は90円に向けてジリジリと上昇しそう
前回のコラムでもご紹介しましたが、「ドルキャリー」や「ユーロキャリー」から、マーケットの大勢は徐々に「円キャリー」へと傾斜しています。
ちなみに、「円キャリートレード」の傾向が強まるということは、ボラティリティ(変動幅)がきわめて低調になるということを意味します。
したがって、豪ドル/円自体の値動きは小さくなりますが、逆に言えば、急落する可能性も低くなると言えます。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足)
直近の数週間について豪ドル/円の値動きを確認すると、調整局面での下落幅は1.50~2.00円程度にとどまっています。
つまり、調整局面では本邦の個人投資家を中心に、コンスタントに豪ドル買いが持ち込まれていると考えることができるでしょう。
引き続き、豪ドル/円は緩慢なアップトレンド(上昇基調)を継続しており、90円方向に向けてジリ高に推移すると考えています。
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