■豪ドルの下落止まらず、豪ドル/米ドルはパリティ割れ
みなさん、こんにちは。
グローバルマーケットは依然混沌としており、新興国通貨の筆頭である、中国人民元は失速気味。
連れて、リスクアセットの代表通貨、豪ドルは軟調な展開が続いています(先週のコラムを参照してください)。
【参考記事】
●最強通貨の座から滑り落ちた豪ドル。大幅利下げなどで豪ドル/円は9円暴落!(西原宏一、5月10日)
豪ドル/円は80.00円の節目を割り込み、一時79.32円まで下落。

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豪ドル/米ドルはついにパリティ(1豪ドル=1米ドル)を割り込み、下落が加速し、0.9870ドルまで到達。

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マーケットでは、引き続きRBA(豪準備銀行)による100bpt(1.00%)ほどの追加利下げが予測され、豪ドルの下落基調は変わらないといったところです。
■米ドルが選好されるリスクオフ相場
中国経済が減速傾向に入っているのは、欧州の混乱が収まらないことも要因の1つです。
ギリシャでは連立協議が不調に終わり、6月17日(日)に再選挙が実施されることが決定。
ギリシャ政局は混迷を深めており、マーケットではリスクオフ相場が続き、ユーロ安も一気に進行。
ユーロ/米ドルは、一時1.2681ドルまで急落。

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ただ今回のリスクオフ相場は、「米ドル高・円高」ではなく、グローバルな投資家にとっての現金である「米ドル」が選好されているのが特徴。
米ドルが最強通貨となり、米ドル/円も80円台を回復。

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避難通貨として、広範に米ドルが買い戻される展開が続いています。
■ギリシャのユーロ離脱が現実味を帯びて反応するマーケット
ただ、ユーロは短期筋が大きくユーロショートに傾いていることもあり、さすがに16日のニューヨーク市場では、ユーロ/米ドルが下げ止まり。
一時的に調整局面で反発する可能性もありますが、ユーロを取り巻く環境は徐々に悪化してきています。
ギリシャ問題が長期化していることで、グローバルマーケットでは、ギリシャのユーロ離脱を徐々に織り込んできているというのが、マーケットのコンセンサスでした。
ところが、実際に「ギリシャのユーロ離脱」が現実味を帯びてくると、不透明な部分があまりにも多く、それが改めてユーロの上値を重くしているようです。
まず、仮にギリシャがユーロを脱退するとなれば、同じように「緊縮財政」にあえぐほかの国が、次の選挙で「ユーロを脱退する」と表明する懸念が拡大するということ。
次にギリシャがデフォルトするとなれば、ブンデスバンク(独連邦銀行)やECB(欧州中央銀行)が保有しているギリシャ債は巨額損失となる問題が残るということです。
ギリシャ問題が長期化し、ユーロを取り巻く環境は悪化の一途をたどっていたのですが、ユーロ/米ドルは長らく1.3000~1.3500ドルと比較的安定していたため、1.3000ドルをクリアに割り込んでから一気にユーロ安が進んだという展開。

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
■ギリシャのユーロ離脱は早ければ来月か?
今月に入ってのユーロ/米ドルは、「sell in May and go away(5月に売ってどこかへ行け)」の展開の中、豪ドル/米ドルとともに、一方的に売られてきましたので、現時点では1.27ドル台前半で下げ渋っています。
そのため、今週後半は調整でユーロが反発する局面もあるのでしょうが、ユーロを取り巻く環境から考えると、ユーロの上値は限定的ではないでしょうか?

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
世界最大の通貨ヘッジファンドFX Conceptsを率いるジョン・テイラー氏は、早ければ来月ギリシャはユーロから離脱すると発言しているようです。
引き続き、ユーロ/米ドル、豪ドル/米ドルのダウンサイドリスクに注目です。
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