みなさん、こんにちは。
グローバルマーケットでは、前コラムの流れが継続しており、資源国通貨とユーロの下落が加速。
【参考記事】
●資源国通貨ブラジルレアル、豪ドル暴落!豪ドル/円はなぜ11円も暴落したのか?(西原宏一、5月24日)
豪ドル/円は、77円を割り込み、一時76.24円まで下落。
(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:豪ドル/円 日足)
ユーロ/円も先週100円を割りこんだ勢いが止まらず、98円を通過し、97.36円まで急落しています。
(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
■スペインの格下げでIMMのユーロショートが史上最大に
ここで混迷を深めるユーロ圏の問題を確認してみましょう。
ギリシャ問題は6月17日(日)の再選挙の結果待ちの状態。
問題はスペイン。
まず、5月29日(火)に米格付け会社のイーガン・ジョーンズが再びスペインを格下げ。以下はロイターからの引用です。
格付け会社イーガン・ジョーンズ・レーティングスは29日、スペインの格付けを「BBマイナス」から「B」に引き下げた。
財政の悪化や銀行セクター支援に伴う政府の負担をめぐる懸念を理由に挙げた。
同社がスペインを格下げするのは、4月下旬と前週に続き過去1カ月で3回目。(出所:ロイター)
市場関係者の一部では、「公正な判断」をするということで定評のあるイーガン・ジョーンズ社が、スペインを連続格下げしたことでユーロは下げ幅を拡大。
加えて、バンキアの問題。
スペイン銀行大手バンキアは、公的資金注入を要請すると発表しましたが、 スペイン政府がバンキア救済のための資金調達をECB(欧州中央銀行)に拒否されたとの一部報道で、マーケットの不安心理はさらに拡大。
クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場では、スペイン国債を保証するコストが過去最高に達しており、ユーロを取り巻く環境はさらに悪化。
IMM(国際通貨先物市場)のユーロショートが史上最大となっており、多くのチャーティストが短期的なユーロの反発の可能性を示唆する中、ユーロは大きな調整もなく続落しています。
■ユーロは対円、対米ドルで年内にさらに10%下落も
ユーロが続落する中、ユーロの下落を再三指摘していたFXコンセプツ(※)がユーロのさらなる下落を示唆。
(※FXコンセプツ=ニューヨークを本拠とする、40億米ドルの資産を運用する世界最大級の為替ヘッジファンド)
ヘッジファンドのFXコンセプツは5月30日(水)、欧州の債務問題が悪化して見通しが引き続き極めて不透明な中、ユーロは米ドルと円に対し年内にあと10%下落する可能性が高いとの見方を示した。
同社のアジア太平洋地域ヘッド、バーナード・ロック氏はダウ・ジョーンズ経済通信に対し、「われわれはユーロに関して非常に弱気だ。ギリシャ、そしてユーロが今後12カ月でどうなるか誰にもわからない」と語った。
ロック氏はユーロの対米ドルおよび対円相場につき、6月末までに1.22ドルおよび96円に、12月末までに1.10ドルおよび90円にそれぞれ軟化するとみている。(出所:ウォール・ストリート・ジャーナル日本版)
加えてFXコンセプツは、豪ドル/米ドルの下落も予測しており…
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