■G20前後に円安懸念発言が出るか…市場の反応に注意!
ところで、本日(4月18日)から始まるG20(20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議)の共同声明の原案が明らかになってきました。
原案には、「各国は通貨安競争を控えること」や「為替を政策の目標にはしないこと」が盛り込まれているようです。
この声明自体は、ある程度予想された表現であり、それほど影響のあるものではないかもしれません。しかしながら、現実としては、G20の中には最近の円安に不満を持っている国も多くあります。
会合前後に、そうした国から円安懸念発言が出てくる可能性がありますので、注意が必要だと思っています。
過去のG20を見ても、G20自体は参加国が多いため、声明文は玉虫色になることがほとんどである一方、各国の代表は、会合の前後に自分の意見を記者会見の場やマスコミのインタビューで明らかにすることが多いのです。
こうした発言に、市場が敏感に反応したケースは今までにもかなりありました。
■一時的な円高局面は円売りポジションの仕込み時!
日本としては、現在の円安はデフレ脱却のために実施した大胆な金融緩和の結果として、市場が円安に反応しただけであって、円安を誘導したわけではないという説明をすることになります。
しかし、理論的にはそうであっても、それで参加国全部が納得するとは限らない。
特に、日本と競争関係にある韓国、中国をはじめとするアジア諸国、自国の通貨高が極端に進んでいることに懸念を持っているであろうオセアニア諸国、従来から円安に懸念を示しているEU(欧州連合)諸国などに不満が蔓延してきています。
また最近は、米国の自動車業界からも、円安を懸念する声が高くなってきているのです。
そうした環境にある中では、各国の発言には十分注意が必要となってくるだろうと思います。しかし、たとえ市場が円高に反応しても、おそらくそれは一時的なものに終わると考えています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
中期的には株高・円安の基調に変化はないとみれば、一時的な円高局面は、円売りポジションの仕込み時になるのではないでしょうか。
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