■2013年は世界経済の好調とアベノミクスで明るい1年
少し遅くなりましたが、新年明けましておめでとうございます。
2013年は、世界経済の好調とアベノミクスの効果により、投資家にとっては全般的には明るい1年でありました。特にそれまでの間、リーマンショックの後遺症、大震災などの影響もあり、リスクマネーが急速に縮小し、企業活動も投資活動も非常にコンサーバティブになっていた状況の中で、実にタイミングよく、大胆な金融緩和が実施されました。
また、「アベノミクス」という造語を駆使して、世の中のムードを盛り上げるという演出が、強気相場を作り上げたという1年でありました。
■2014年は日本経済も安定、株式市場も底堅い展開に
その上で、2014年の1年間の経済、あるいは相場について少し考えてみたいと思います。
まず、結論から申し上げれば、2014年は2013年ほどの強気相場にはならないとは思いますが、基本的には日本経済も安定し、株式市場も底堅い展開になるとみています。
為替市場も大きく円高になるような展開には、ならなそうだと考えています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 週足)
■重要なポイントは米国経済にあり!
そのもっとも重要なポイントは、米国経済にあります。
2013年の米国経済は、途中、共和党、民主党の対立による財政危機のリスクが表面化するという特殊な局面もありましたが、基本的には順調に景気が拡大する1年となりました。
そうした状況を受けて、FOMC(米連邦公開市場委員会)では2013年12月に、今後、量的緩和を徐々に縮小していく決定がなされました。
【参考記事】
●米FOMCにてテーパリング開始決定!米ドル/円は105円台半ばが視野に!(2013年12月19日、今井雅人)
正直申し上げて、私は2014年の3月頃かなと予想しておりましたので、予想よりも早い決断となりました。
しかし、その決定を見てみると極めてゆっくりと引き締めをしていくという内容となっており、これで市場が逆に安心して株高が進みました。
(出所:米国FXCM)
これは、最近の経済指標が好調である一方、消費者物価指数がまだ1.7~1.8%程度と安定しているため、「予防的な意味で金融緩和の手を少し緩めるものの、あまりスピードは速い必要はない」とFOMCのメンバーが判断したということだと思います。
1月8日(水)NY時間に公表されたFOMC議事要旨(12月17日-18日分)でも「多くのメンバーが慎重な量的緩和の縮小を支持した」ことが明らかになっています。
■米国経済を占う雇用と住宅市場は好調!
さて、私は2013年、1年を通じて、米国の経済を占うのに重要なのは、雇用と住宅市場であると一貫して述べてきました。
【参考記事】
●不可解なバーナンキ発言の背景とは?対ユーロでの米ドル買いがスッキリする!(2013年7月11日、今井雅人)
●ポルトガル、エジプトなどの「地雷」はあるが米経済は堅調! ドル高はしばらく継続!(2013年7月4日、今井雅人)
雇用ですが、失業率は直近でいえば、7.0%にまで下がってきています。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移)
リーマンショック時には10%台半ばまで悪化していたことから考えれば、かなりの改善です。そしてFOMCが目安と考えている6.5%も視野に入ってきました。雇用環境の改善は順調です。
また、住宅市場も好調です。主要都市の住宅価格は年率で15%前後上昇しています。その結果、住宅ローンを借りている人のうち、含み損を抱えている人が、ここ2年ほどで12%程度から6%程度にまで半減しました。
借り手の延滞率も低下していることに伴い、銀行の不良債権比率も大幅に減少しています。借り手にも貸し手にも余裕ができてくるということは、消費にも投資にもプラスに作用します。
自動車販売も好調で、米国経済は2014年、順調に回復すると思われます。
日本では、2014年4月に消費税が引き上げられ…
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!でもおなじみの今井雅人さんからのレポートを受けて、ザイFX!が 配信する「ザイFX! FXプレミアム配信 With今井雅人(月額:5,500円(税込))」。
その日のニュースをコンパクトに解説し、今後の為替の値動きについての予測とともに、今井氏のポジションについても可能な限り配信する、実践型の有料メルマガです。
「ザイFX! FXプレミアム配信 With今井雅人」には10日間の無料体験期間がありますので、ぜひ一度体験していただき、みなさんのトレードの参考にしてみてください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)