■ECBカバードボンド購入開始などでユーロは下落
米ドル/円の110.00円同様、1.2500ドルの節目に到達して以降は、調整局面入りしていたユーロ/米ドルですが、こちらも調整が終了した模様。
メイントレンドに回帰したきっかけは、まずECB(欧州中央銀行)によるカバードボンド購入の開始。
10月のECB理事会で詳細が発表された「ABS+カバードボンド購入プログラム」ですが、これは10月20日(月)にフランスの短期カバードボンドの購入から始まったようです。
加えて、10月22日(水)にはストレステストに関する報道がなされ、ユーロ/米ドルはさらに下落へ。
(出所:米国FXCM)
「ECBのストレステスト、少なくとも6カ国の11行が失格に―スペインEFE通信」
報道によれば、
(1)3つのギリシャの銀行
(2)3つのイタリアの銀行
(3)2つのオーストリアの銀行
(4)キプロス、ベルギー、ポルトガルからは1行ずつ
といった内容。
今週(10月20日~)に入って報道された、一連のユーロに対するネガティブな要因により、ユーロ/米ドルは1.2632ドルまで反落。
(出所:米国FXCM)
■ECBの追加緩和スタンスでユーロ安のメイントレンド回帰
市場が注目するのは、
(1)ECBがどうバランスシートを拡大していくのか?
(2)ECBは経済成長や融資需要、インフレの上振れを生み出せるのか?
この2点に集中しています。
結果、11月6日(木)のECB理事会では、量的緩和への積極姿勢が演じられる公算が高まっています。
国債の購入に踏み切れないで、政策の手詰まり感があること自体がユーロの重しに。そして、追加緩和が期待されていることもユーロにネガティブな要因ですので、ユーロ/米ドルの上値はますます限定的となります。
先週、10月15日(水)に1.2880ドルに到達し、調整を完了したユーロ/米ドルですが、ECBの追加緩和スタンスを背景に、再びユーロ安のメイントレンドへ。
中期ではユーロ/米ドルは1.2000ドルへ。
(出所:米国FXCM)
米ドル/円に加え、追加緩和期待が濃厚なユーロ/米ドルの動向にも注目です。
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