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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

米国株、米長期金利、ドル急落の要因は?
なぜ、今の相場は乱高下しやすいのか?

2014年10月16日(木)18:19公開 (2014年10月16日(木)18:19更新)
西原宏一

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■米ドル/円は一時、105円割れ寸前

 みなさん、こんにちは。

 今週(10月13日~)も先週に引き続き、米ドル/円の調整相場が続いています。

 今週(10月13日~)の特徴は、米ドル/円のみならず、ユーロや豪ドルといった主要通貨に対しても米ドルが下落していること。

 その要因は米国債利回りの低下

 10月15日(水)に発表された9月分の米小売売上高が、市場予想を大きく下回ったことから、これまで「一人勝ちの様相を呈していた米国経済」に対する懸念が拡大。

 これに呼応して、米長期金利(10年物国債の利回り)が節目である2.00%を割り込み一時、1.86%まで急低下

米長期金利(10年物国債の利回り) 日足

(出所:CQG)

 NYダウも1万6000ドルを割り込む急落を演じ、米ドルが急落。

米国株(SPX500) 日足

(出所:米国FXCM

 ユーロ/米ドルは1.2885ドル、豪ドル/米ドルは0.8860ドル、NZドル/米ドルは0.7994ドルまで米ドル安が進み、1日でそれぞれ2%程度と急激な米ドル安が進行しています。

 他通貨での米ドル急落に伴い、米ドル/円も節目の107.00円を割り込み、一時105.18円と105円割れ寸前のところまで急落。

米ドル/円 8時間足

(出所:米国FXCM

 10月15日(水)は米小売売上高の発表をきっかけに、主要通貨に対し、米ドル全面安の展開となりました。

米ドルVS世界の通貨 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 4時間足

■8月からの明白な米ドル高相場は終焉

 前述のように、米国債の急騰(利回りは低下)と米国株の急落を伴っているため、通常ですとリスクオフ相場となり、米ドル/円、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の下落を誘因するのですが、今回はそうなっていません。

 ユーロ/米ドル、豪ドル/米ドル、NZドル/米ドルは急反発しており、米ドル安相場に。

 これは、ファンダメンタルズの要因ではなく、ポジション調整が続いているためです。

 先月、9月までに積み上がったポジションは「米国株ロング・米国債ショート・米ドルロング」でした。

 そのため、ポジション調整となれば、「米国株下落・米国債急騰(利回り低下)・米ドル下落」となるため、クロス円は通常のリスクオフ相場とはなりません。

 つまり、8月のお盆明けから9月いっぱいまでのトレンドが明白で簡単な米ドル高相場は終焉

米ドルVS世界の通貨 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足

 反転したレベルも、米ドル/円が110.00円、ユーロ/米ドルが1.2500ドルに到達して以降ですので、利益確定などの調整相場が続いているといった展開です。

米ドル/円 日足

(出所:米国FXCM

ユーロ/米ドル 日足

(出所:米国FXCM

 いずれにせよ、多くのトレーダーは…


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