■コンセンサスが偏っている年始の動向に注目
ただ、ここで気をつけたいのが、多くのマーケット参加者の予測が米ドル高で一致しているということ。これは昨年末(2013年末)と同じコンセンサスとなります。
確かに、本年、2014年は年末に向け、米ドル/円は120円台、ユーロ/米ドルは1.22ドル台、豪ドル/米ドルは0.81ドル台とコンセンサスどおりに米ドル高が進んでいます。
ただ、その米ドル高の過程には紆余曲折があり、簡単なマーケットではありませんでした。
2014年の米ドル/円は1月2日(木)に105.48円という高値をつけた後に急反落。その後、数カ月に渡って101~103円という狭いレンジでの停滞が続き、方向性ではなく、低ボラティリティに多くの参加者が苦戦を強いられました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足)
長期に渡る低ボラティリティの中、米ドル高トレンドに疑問を持つ参加者も増えていました。
日本株も同様で、日経平均は2013年12月30日(月)に高値の1万6320円に到達した後、米ドル/円と同じように急反落。その後、長らく停滞しました。
(出所:株マップ.com)
そして、2014年後半に入り、米ドル/円、日経平均ともに、上昇トレンドへ。
さらには、10月31日(金)のバズーカ2の発表により、上昇が加速。米ドル/円は想定以上の上昇を見せ、120円台へ。そして、日経平均はコンセンサスどおり、一時、1万8000円台まで急騰して2014年を終えようとしています。
【参考記事】
●手仕舞い売りが出て米ドル/円4.4円急落! 米ドル/円にロング再構築の好機到来(12月11日、西原宏一)
つまり、あまりにもコンセンサスが同じ方向に偏ると、上昇のタイミングとボラティリティにズレが起きるわけです。
■2015年1月のトレードは慎重に入りたい
2014年も年末に向け、米ドル/円は120円台、日経平均は1万7800円と高値圏で推移。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
(出所:株マップ.com)
2013年と同様に、2014年も年末に向け、米ドル/円、日経平均ともに上昇していることから、2015年1月の米ドル/円と日経平均のトレードは慎重に入りたいところ。
トレードは1月の収支が重要な意味を持ちます。
2015年も最終的にコンセンサスどおり、米ドル高、株高になったとしても、1月に思わぬ下落に見舞われると、トレードが後手に回って、収益管理が苦しくなります。
この意味においても、1月のスタートは慎重に入りたいということなのです。
ただ、仮に1月に円高へ振れたとしても、一時的な調整に終わる可能性が濃厚。
(出所:米国FXCM)
2015年は、消費や投資の好循環が戻るかどうか、アベノミクスの成否が問われる年となります。その重要な年に日本株や米ドル/円が大きく崩れることは想定しがたいからです。
加えて、以前と違うのは、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)がコンスタントに外貨買いをしていること。そして、日銀も断続的にETFを購入していることが、調整時の下落幅を限定的なものにすると想定されます。
ロシア情勢など外部要因により、一時的に円高に振れたときは、米ドル/円をロングにする好機ととらえたいところですね。
●米ドル/円は高値追い禁物で押し目待ち。豪中銀総裁は0.75ドルのターゲット明言!(12月18日、西原宏一)
次回のコラムは2015年1月8日(木)となります。
それではみなさま、良い年をお迎えください。
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