■米ドル/円が膠着する中、ユーロ/円の下落幅が拡大
ECBのQE開始の影響はすさまじく、ユーロは対米ドルのみならず、ユーロクロス(ユーロと米ドル以外の通貨との通貨ペア)でも急落。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロVS世界の通貨 日足)
そんな中、注目はユーロ/円。
欧州株上昇の中、日経平均も堅調で、米ドル/円も底堅いのですが、米ドル/円はなかなか節目の122円台に完全には乗せてきません。
(出所:米国FXCM)
米ドル/円の膠着を横目に、ユーロ/米ドル続落の影響で、結果的にユーロ/円も続落。
本日(3月12日)のユーロ/円は、一時、127.63円まで下落しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 1時間足)
■ユーロ/円が下落する中、日本企業の想定レートは?
ここで気になるのが、ユーロ/米ドルではなく、ユーロ/円のヘッジが遅れていること。
マーケット参加者に聞いたところによると、日本企業のユーロ/円の想定レートは以下のとおりだそうです。
日産自動車 138.90円
トヨタ自動車 139円
デンソー 139円
富士フィルム 140円
ソニー 137円
日銀のバズーカ2の影響で、昨年(2014年)末、150.00円レベル(149.78円)まで急騰していたユーロ/円ですが、ドラギマジックによるQE決定の影響で、一転して急落。
【参考記事】
●ドラギマジック炸裂! ECBが予想以上のオープンエンドQEを決定してユーロ急落!(1月29日、西原宏一)
そのため、現在のユーロ/円相場は各社の想定為替レートから大きくかけ離れてきました。
欧州株が堅調なため、友人の機関投資家も欧州株への投資を考えているようですが為替ヘッジをつける模様。
結果、欧州株の影響で日本株も堅調ですが、ユーロ/円は急落するという展開の中、ユーロ/円のヘッジが遅れているという状況に陥っています。
■ユーロ/円は120円に向けて続落する可能性高まる
ECBのQEは始まったばかりで、欧州の金利低下は続くでしょうから、ユーロ/米ドル同様、ユーロ/円の上値も限定的。
130円を割り込んだユーロ/円は120円に向けて続落する可能性が高まってきました。
(出所:米国FXCM)
急低下する欧州の金利と、ユーロ/円の動向に注目です。
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