■本邦当局の円売り牽制なく、米ドル/円は上昇加速
しかし、今週(5月25日~)は違っていました。
米ドル/円が121円、122円に入っても本邦当局からの円売り牽制コメントはなし。
これは、統一地方選が先月(4月)に終了しているため、「円安牽制コメント」を頻繁に出す必要がなくなったからとウワサされています。
(出所:米国FXCM)
結果、遅ればせながら、欧米のファンド勢が、ヘッジの米ドル買い・円売りをマーケットに持ち込んだことで、米ドル/円の上昇が加速しました。
■米ドル/円は目先125円、中期では128円が目標
当コラムで何度かご紹介してきましたが、米ドル/円は1990年と1998年の高値を結んだ長期トレンドラインが抵抗になっていました。今週(5月25日~)はそれをついに上抜けたことになります。
【参考記事】
●ドル/円は122円超、日経平均は2万2000円へ上昇するのが濃厚と考える理由とは?(4月23日、西原宏一)
●長期トレンドラインがカギ! 米ドル/円は122.35円を上抜けると視界が一気に晴れる(5月26日、西原宏一&松崎美子)
(出所:米国FXCM)
上のチャートのとおり、今週、5月26日(火)に、122円台ミドル近辺にあって強烈なレジスタンスとなっていた、長期トレンドラインを上抜いた米ドル/円は、数カ月に渡るレンジ相場を終了。米ドル高・円安に弾みがついた展開となっています。
本稿執筆時点では、2007年6月22日(金)の高値である、124.16円をも上抜け、一時、124.30円まで上昇しています。
【参考記事】
●ドル/円が2007年高値124.16円を上抜け! 長い長い円高トレンドは転換したのか?
(出所:米国FXCM)
今後の上値メドは、オプションからの米ドル売りも観測され、節目でもある125.00円。
次のレジスタンスを探ると、1990年4月高値160.35円と2011年10月安値75.56円の下落幅の61.8%戻しが127.96円となり、中期のターゲットは128円となります(先週のコラムを参照)。
【参考記事】
●「子くじら」の出現で、米ドル/円は122.50円への上昇濃厚! 上抜ければ125円も視野に(5月21日、西原宏一)
(出所:米国FXCM)
米ドル/円は今週(5月25日~)に入って、3日で3円急騰。
米ドル高・円安のピッチが早いため、米ドル/円は調整で反落する局面もあるのでしょうが、「日本株買い・円売り」の動きは変わらず。
数カ月の調整期間を経て、メイントレンドの米ドル高・円安に回帰した米ドル/円の動向に注目です。
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