■米利上げはあっても年内は、1回に留まるか?
そして、2015年末のFF金利予想は、中央値が0.625%と前回3月から据え置きとなりましたが、ドットチャート(FOMCメンバーそれぞれの予想値を点で表した表)の分布図が、なんと0.375%、0.625%、0.875%にきれいに5人ずつ並ぶという珍しい形となりました。
(出所:FRB)
(出所:FRB)
市場では、FOMC内での意見がまったくまとまっておらず、そのために年内の利上げが1回に留まるのでは? との見方も出てきており、こちらも米ドル売りを後押ししています。
ただ、利上げが行われること自体に変わりはなく、日米の金融政策の方向性が正反対となっていることは確かです。
下値では、引き続き本邦年金資金などの長期資金をはじめ、本邦実需勢の買い意欲が強いなど、市場の需給関係はタイトなままとなっています。
目先のポジション調整が一巡すれば、中期的な円安方向に変更はないでしょう。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
■目先の米ドル/円はレンジ相場と見ておきたい
ただ、目先は、黒田日銀総裁が「円安牽制発言」をしたとして売り込まれた6月10日(水)の安値122.46円や一目均衡表基準線の位置する122.37円が目安として意識されている一方、上値は、9日(火)の高値124.74円をレジスタンスレベルとしたレンジ相場と見ておきたいと思います。
(出所:米国FXCM)
いずれにしても、ユーロ/米ドルが方向感をなくしているなか、米長期金利の動向や日経平均の動きに左右される神経質な展開がしばらく続くのかもしれません。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
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