■タカ派なFRB、ハト派なECBでユーロ安・米ドル高に
ここで、前回のコラムで紹介したチャートポイントをもう一度確認したいと思います。
昨年(2014年)同様、米ドル/円は10月15日が時間的に重要なポイントであり、118.06円という価格の重要なサポートをボトムに上昇継続という流れは変わらず。
【参考記事】
●日銀会合はゼロ回答との予測が浸透。ドル/円はなぜ、118.06円で下げ止まった?(10月22日、西原宏一)
(出所:ヒロセ通商)
2015年10月15日(木)という時間軸は、ユーロ/米ドルの1.1496ドルという高値をつけた日柄とも合致。米ドル/円のみならず、ユーロ/米ドルでも、米ドルがボトムに到達した日柄となるわけです。
そして、ユーロ/米ドルが下落を続けている流れも変わらず。
(出所:ヒロセ通商)
加えて、11月4日(水)のNY市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長の下記のコメントで米ドル全面高の展開に。
イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は4日、米下院金融サービス委員会で証言し、12月の利上げがあり得るとあらためて表明した。
だが米景気回復の腰を折らないよう、利上げ開始後は極めて緩やかなペースで引き上げる方針を強調した。
出所:ロイター
このコメントに一番反応したのがユーロ/米ドル。
「タカ派なFRB、ハト派なECB(欧州中央銀行)」というわかりやすい構図の中、ユーロ/米ドルは1.0843ドルまで下落。
【参考記事】
●世界的な緩和合戦、利下げ合戦が復活!? 買える通貨は米ドルと英ポンドぐらいか…(11月3日、西原宏一&松崎美子)
いったん1.0800ドルという節目でサポートされていますが、ここを割り込めば、下落が加速する可能性が濃厚。
(出所:ヒロセ通商)
10月15日(木)を起点とした米ドル高の流れは変わらず。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 1時間足)
一つ懸念があるとすれば、明日(11月6日)の米雇用統計のNFP(非農業部門雇用者数)。ここで大きな波乱がなければ、米ドル/円、ユーロ/米ドルとも、12月のFRB利上げに向けて、米ドルがじり高に推移する可能性が濃厚。
10月15日(木)を起点として、米ドル高の流れが継続している米ドル/円とユーロ/米ドルの動向に注目です。
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