■米ドル/円はダブルボトムを確認して調整局面入り
本邦の新年度が始まった4月の為替相場ですが、わずか1週間超で米ドル/円は5円急落と円高が進行。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
通常のボラティリティでの米ドル/円は4円程度で流れを切り返すことも多いのですが、今回は戻しもなく、一気に5円急落しています。
そして、今週(4月11日~)前半に107.65円レベルでダブルボトムを確認してようやく調整局面入り…。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
この流れが継続するのかどうかのカギを握る重要なイベント「ドーハ会合」が今週末、4月17日(日)に開催されます。
【参考記事】
●新年度に入りドル/円はすでに5円下落! 安倍首相は消極的も介入はあり得るのか?(4月12日、西原宏一&松崎美子)
■原油本格反発のカギを握る「ドーハ会合」
今週(4月11日~)、グローバルに株式が回復し、米ドル/円が回復したことの背景には原油の反発があります。
今週(4月11日~)の原油相場は、200日移動平均線に向けて反発。これがグローバルなリスク許容度の改善に大きな影響を及ぼしています。

(出所:CQG)
そして、原油の反発が本格化するかどうかのカギを握るのがドーハ会合。
今週末、4月17日(日)にドーハで開催されるOPEC(石油輸出国機構)加盟13カ国+4カ国(ロシア、オマーン、バハレーン、メキシコ)の会議で、増産凍結の合意がなされるのかどうかが大きなカギを握っています。
■パナマ文書が安倍政権の爆弾となる可能性も…
ドーハ会合に加えて注目が集まっているのが「パナマ文書」(※)。
(※編集部注:「パナマ文書」とは、中米パナマにある法律事務所から流出した顧客データのこと。この「パナマ文書」には、約1150万件の財務記録や法的記録などの機密情報が記載されているとされる)
これをどんな意図で流出させたのか、誰が得をして誰が損をするのか、謎が多いです。
これまでの経緯では、まずアイスランドの首相が早速、辞任。
英国ではキャメロン首相の進退問題にまで発展しています。
そして、問題はこれまで日本人の名前が出てきていないこと。
ジャーナリスト団体が調査にあたっている模様ですが、日本から参加しているのは共同通信と朝日新聞。
朝日新聞と安倍政権との関係はあまり良くないとされていますが、今後、閣僚のスキャンダルに発展するようなことがあれば、リスクオフ相場が加速。
つまり、日本株や米ドル/円のさらなる売り材料とされる可能性も高いため、今後はパナマ文書の報道にも注目です。

(出所:株マップ.com)
■上海合意のウワサなどを背景に米ドル/円の上値は限定的
前述のように、米ドル/円は107.65円レベルで短期的なダブルボトムを形成して調整中。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
次のレジスタンスは、日足・一目均衡表の転換線が位置している109.72円。心理的レジスタンスである110.00円などが挙げられます。

(出所:CQG)
来週(4月18日~)から本邦機関投資家の日本株買いが本格化すると言われていますが、上海合意のウワサなどを背景に米ドル/円の上値は限定的。
【参考記事】
●安倍首相が米国に「介入しない」と宣言!? 上海合意で、米ドル/円は100円も視野に!(4月7日、西原宏一)
上海合意、ドーハ会合、そして、パナマ文書と材料が多い中、米ドル/円の行方に注目です。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。
「トレード戦略指令!」は10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。























株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)