■2016年6月の米利上げ可能性が高まったFOMC議事録
先週から今週(5月16日~)にかけては、とりたてて大きなニュースはなく、相場も気迷い状況が続いていました。
そうした中、4月26日(火)~27日(水)に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)の議事録が5月18日(水)に発表されました。
その中の注目する部分を抜粋してみます。
「大半の参加者は、今後入ってくるデータが、4-6月に経済成長が上向き、労働市場が引き続き力強さを増し、インフレが委員会の目標2%に向けて進展している状況と一致すれば、FF金利導入目標のレンジを6月に引き上げるのが適切になる可能性が高いと判断した」
「入手する情報により、次回会合時に政策スタンスの調整が適切になる可能性については、参加者はさまざまな見解を示した」
「総じて、政策の選択肢をオープンにしておき、この決定を下す上での柔軟性を維持するのが適切だと判断した」
つまり、今後のデータが良ければ、2016年6月に利上げをする可能性が高いと述べているわけです。
これまで、市場での見方は6月利上げの可能性はかなり低いというのが大半でした。しかし、この議事録を見る限り、市場が考えている以上に6月に利上げの可能性が高いということが明らかになったわけです。
■FOMC議事録を受けて米ドル全面高に!
これを受けて、米ドル全面高となっています。
米ドル/円は110円台まで上昇したほか、ユーロ/米ドルも1.12ドル台前半まで下落しました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 1時間足)
米10年債利回りが1.88%台まで上昇するなど、米国の長期金利も上がっています。

(出所:CQG)
しかし、たしかに確率は高くなったとはいえ、今後、出てくる経済指標の結果によっては利上げは見送られるわけですから、この議事録だけで米ドル高トレンドを作るのは難しいと考えています。
引き続き、レンジトレードをする時期であると考えています。
ただし、どちらかと言えば、米ドル高方向に向かう可能性の方が高いのではないかと思っているので、できれば米ドル買いを先行したトレードをした方が良いのではないでしょうか。
■オセアニアや新興国通貨は下落圧力を受ける
米国の利上げ期待が高まると、オセアニア通貨や新興国通貨は下落圧力を受けます。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 日足)
金利稼ぎをしたくなる気持ちはわかるものの、本格的に米国の利上げが始まってしまうと、さらに下落する可能性があることは十分、意識をしておいていただきたいと思います。
■英国EU離脱はない。英ポンド売りはやめた方が良い
また、6月に国民投票が行われる英国では、最新の世論調査で、EU(欧州連合)からの離脱に反対が55%と、過半数を上回っています。これを受けて、英ポンドが急騰しています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/円 1時間足)
私個人の意見としては、いくら昨今世界で一種の民族主義ブームが起きているとしても、英国にとってEUから離脱することによるメリットよりもデメリットの方が遥かに大きいと思いますし、そのことは英国民も十分理解をしているはずです。
したがって、最終的にはEUからの離脱ということにはならないと思っています。ですから、これを材料に英ポンドを売るのは止めた方が良いと思います。
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