■あまり多くの選択肢がない日銀の決定だが…
では、明日(7月29日)の日銀金融政策決定会合において、どんな材料が米ドル/円のボラティリティを急騰させているのでしょうか?
実は、日銀の決定には、あまり多くの選択肢はありません。
(1)フルパッケージの金融緩和
マイナス金利の深掘りや量的質的金融緩和(QQE)の拡大。
これはマーケットの予測の範囲内であるため、米ドル/円は2~3円上昇の後、急反落。
(2)変更なし
変更なしであれば、失望で米ドル/円は急落。
(3)擬似ヘリマネ
これは、マーケットの予想を超えているので米ドル/円は暴騰。
これらがマーケットのコンセンサス。注意したいのが、(3)以外は結果として円高を期待している参加者が多いということです。
「フルパッケージの金融緩和」で米ドル/円が上昇後、下落というのは、相場の基本。
いわゆる「事実で売る(Sell The Facts)」ではあるのですが、今回、この流れがコンセンサスになりつつありますので、(3)の場合の急反発には要注意。
加えて、(1)と(2)の場合の米ドル/円の下げ幅。
通常であれば、4~5円の下落幅だと思われますが、気になるのが、前述の米ドル/円の1週間物のボラティリティ。
(出所:CQG)
24%のボラティリティということは、米ドル/円が下落するにせよ、反発するにせよ、その値幅は4~5円ではなく、もっと大きな値幅を想定しておく必要がありそうです。
(出所:CQG)
米ドル/円という通貨ペアは、流動性が枯渇することはまれで、資金管理しやすい通貨ペアと言えるのですが、その米ドル/円のボラティリティがこれほど高いことには要注意です。
先月(6月)のBrexit(英国のEU離脱)時の英ポンド/円と同様、今回の日銀金融政策決定会合時の米ドル/円トレードに関しては、方向性より、資金管理に留意して、乱高下に巻き込まれないようにしたいところです。
(出所:CQG)
来月(8月)のみならず、2016年後半の米ドル/円の方向性を占う意味で、注目度を増している、明日(7月29日)の日銀金融政策決定会合の結果公表。
急騰しているボラティリティ環境下では、米ドル/円の方向性よりも、乱高下に巻き込まれないようにトレードしたいところです。
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