■ロシアゲート問題勃発で米ドル/円急落
この「ロシアゲート」問題が深刻化するにしたがって、株価がじわじわと軟調に。
堅調だったクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)も、まず英ポンド/円が148.11円を高値に反落。
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過去2年間、米ドル/円のリーディング通貨は英ポンド/円であり、英ポンド/円の反落が米ドル/円の上値を重くします。
【参考記事】
●120円が見えてきた! 3月には跳ね返されたドル/円の115円台、今回はブレイク濃厚!(5月11日、西原宏一)
そして、5月17日(水)のNY市場では、ひさしぶりにNYダウが前日比372ドル安と急落。
(出所:Bloomberg)
「ロシアゲート」事件が発端となり、株安、つまり、リスクオフ相場となり、
米ドル/円、クロス円は総じて急落しました。
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米ドル/円は一時110.50円レベルまで急落し、フランス大統領選後の円安の流れを帳消しにする流れに。
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■ロシアゲート問題がスキャンダルに発展するかは不透明
前述のように、やっとおさまったと思われたリスクオフ要因ですが、「ロシアゲート」報道で再びマーケットは不安定化。
ただ、この「ロシアゲート」問題が過去の「ウォーターゲート事件」同様に大規模な政治スキャンダルに発展するのかどうかはまだ不透明なところ。
加えて、過去2年間、「Brexit(英国のEU離脱)、フランス大統領選挙、そして東アジアの緊張」など、マーケットは数多くのリスクオフ要因を経験しましたが、米ドル/円が反落した局面では、生保などの本邦機関投資家の米ドル買い遅れ組が出てきて、米ドルを底堅くするため、「リスクオフ相場=米ドル/円の買い場の提供」という流れが続いており、この先、米ドル/円が続落するかどうかは不透明なところ。
【参考記事】
●豪ドルを買う理由がなくなってしまう!? 米ドル/円は「買い遅れ組」の動きに注目!(2016年12月19日、西原宏一&大橋ひろこ)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
■米ドル/円は反発の流れの中、いい買い場に?
ここで米ドル/円の流れを確認すると、フランス大統領選の行方が混迷し、北朝鮮問題の緊張感が高まったときの米ドル/円の安値が108.13円。
Brexit(英国のEU離脱)時の安値と昨年(2016年)12月の高値の50%戻しが108.84円であるため、週足ベースではほぼ半値戻しで米ドル/円は反発に転じたことになります。
(出所:Bloomberg)
200日移動平均線も109.73円に位置しており、米ドル/円は108.13円でボトムアウトして、反発の流れの中にあると想定しています。
(出所:Bloomberg)
現時点で「ロシアゲート」問題がどれだけ深刻化するかは、誰にもわかりませんが、今回のようなリスクオフ要因は、米ドル/円のいい買い場を提供するのではないかと想定しています。
ただ、5月17日(水)のNY市場のように、本丸である米国株を「ロシアゲート」問題が大きく押し下げるようなマーケットが続くと、米国株の調整が本格化し、リスクオフ相場が深まるため要注意です。
加えて、このところの米ドル/円の反発は、英ポンド/円の反発を伴う必要があることもあり、引き続き、英ポンド/円の動向にも注目。
「ロシアゲート」騒動の中、今後の米ドル/円の動向を探るため、米国株と英ポンド/円の行方に注目です。
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