■ヒンデンブルグ・オーメン点灯で不安定な米国株
上値が徐々に重くなった米国株ですが、5月、6月に続いて、8月中旬、米国株にヒンデンブルグ・オーメン(※)が点灯しました。
(※編集部注:「ヒンデンブルグ・オーメン」とは、米国株暴落の予兆とされるテクニカル的なシグナル。このシグナルは30営業日有効とされており、80%程度の確率で5%以上の下落が起きると言われている)
(出所:Bloomberg)
暴落を示唆することで有名なヒンデンブルグ・オーメンですが、今年(2017年)も何度も点灯し、それが直接暴落につながらないことも多いのでシグナル点灯が即暴落につながるというわけではありませんが、株が急落する前にこのシグナルが点灯する傾向はあるため要注意です。
米国株の上値を重くしているのが、下記のトランプ大統領の政府機関閉鎖の可能性とNAFTA(北米自由貿易協定)に関する下記のコメントも影響しています。
トランプ大統領は22日、アリゾナ州フェニックスでの集会で、2016年の選挙戦で中心的な公約だった国境の壁の建設について、予算獲得で議会に圧力を掛ける必要があれば、米国を政府機関閉鎖の瀬戸際に追い込むと警告した。
また、北米自由貿易協定(NAFTA)について、「ある時点で終わらせることになるだろうと思う」と述べた。
出所:Bloomberg
一時的であることを望みますが、トランプ政権は現在、戦略ブレーンもいない危うい政権となっており、これが米国株の重しとなっています。
■米国株が続落し、米ドル/円が108円を下抜けする可能性も
米国株の下落は米金利の低下を誘発し、さらに米ドル/円の上値を重くします。
(出所:Bloomberg)
今年(2017年)の米ドル/円は、3月、5月、7月に114~115円で上値を確認して反落。
一方安値は4月、6月、8月とすべて108円台をサポートとして反発し、長期にわたって、108~115円のレンジを形成しています。
(出所:Bloomberg)
仮にトランプ政権が不安定な状況が続き、米国株が続落すると、米ドル/円が108.00円を下にブレイクし、新たなステージに入ってしまう可能性もあるため、この先、米国株の動向が米ドル/円のカギを握っているともいえます。
トランプ政権の政策遂行能力の見極めと米国株、そして、108円台という重要なサポートで推移している米ドル/円の動向に注目です。
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