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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

米ドル/円は一気に目標の105円台へ到達!
いったん調整後、次のステージは100円へ

2018年02月22日(木)16:10公開 (2018年02月22日(木)16:10更新)
西原宏一

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■米ドル/円は目標の105円台に到達し、いったん調整に…

 みなさん、こんにちは

 今月(2月)、下げ足を速めていた米ドル/円相場ですが、先週(2月12日~)後半から下落が加速。

 節目である108.00円を割り込むと、昨年(2017年)の安値である107.32円もあっさり決壊。

2月16日(金)には、一時105.55円に到達しています。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:Bloomberg)

 米ドル/円の105円台というのは、筆者も含め、多くの参加者の今年(2018年)のターゲットレベル。

【参考記事】
2018年初頭に注目したいのはユーロ/円! 米中間選挙に向けて米ドル/円は105円へ(2017年12月21日、西原宏一)
米ドル/円、株や米長期金利の上昇に追随できず…。111円割れなら107円台も視野!(1月11日、西原宏一)

 そのため、105円台では、ヘッジファンドを中心に利益確定の米ドル買い戻しが断続的にマーケットに投入され、下げ渋り。

 結果、2月16日(金)の105.55円をボトムに米ドル/円は反発

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:Bloomberg)

 振り返ってみれば、日経平均がボトムをつけたのが、2月14日(水)安値の2万950円。その2日後に、米ドル/円がボトムアウトした展開です。

 米ドル/円の日足では、デマーク・インディケーターの「9-13-9」(※)というサインが点灯しており、ひと相場の終焉を示唆。

(※デマーク・インディケーターで、setup=9 countdown=13 setup=9とサイクルが一巡すると、その相場の流れが終焉すると見る)

■オープン外債に絡む米ドル買いもマーケットに投入か

 米ドル/円が節目の105円台でボトムをつけた展開でもあることから、このコラムで何度かご紹介させていただいた、オープン外債(為替をヘッジせず、オープンで投資する外債)に絡む米ドル買いもマーケットに投入されている模様。

【参考記事】
ドル/円は118円への上昇過程! 注目は…!?NZドルを反落させたネガティブ材料とは?(2017年10月26日、西原宏一)
ドル/円は110.00円の攻防が流れを決める! ドル安の流れと機関投資家の買い需要交錯(1月18日、西原宏一)
VIX指数急騰で低ボラティリティ相場終焉! 株暴落でも底堅いドル/円も下値余地拡大(2月8日、西原宏一)

明治安田:オープン外債開始、円高進行で年度初-「我慢よかった」

明治安田生命保険は、モーゲージなどの米国の債券に為替リスクを回避せずに1月後半から投資を開始した。年明け以降の急速なドル安・円高を受けて、今年度初のオープン外債への資金投下になる。

運用企画部・運用企画グループの井上伸司氏は20日のインタビューで、今年度はオープン外債のチャンスがなく一切投資してなかったが「ようやくタイミングが来た」と話した。「1ドル=100円割れは想定していない。基本は緩やかな円安という見立て」としている。第3四半期まではあまりにボラティリティーがなさ過ぎたとして「どうしようかと思っていた。そこは我慢できてよかった」と振り返る。

今年に入り円高が加速して15日には1ドル=105円台を付け、米長期金利も上昇している。昨夏も110円を割り込む円高になったが、米長期金利はむしろ年度の最低水準に下がっていた。円高と米金利上昇を受けて1月後半にオープン外債を購入し始めた後も円高が進んだが、継続的に買い下がっており、1000億円台の投資予算があるという。105円を超えた円高は「われわれにはチャンス」と井上氏は話す。

米国の長期金利も、ヘッジ付き米国債券投資に「好ましい水準」に上昇してきたと井上氏はみている。米国の利上げで、コストに相当する日米短期金利差は拡大しヘッジ外債の積み増しを抑制してきた。年明けは金利上昇が長期金利にも波及し、米10年国債は21日には2.9%まで切り上がり投資妙味が出てきたという。

出所:Bloomberg

 大手生保が、オープン外債を増やすという報道はこのコラムでも何度かご紹介させていただいたとおり。

【参考記事】
ドル/円は118円への上昇過程! 注目は…!?NZドルを反落させたネガティブ材料とは?(2017年10月26日、西原宏一)

 2月の円高局面では、数社からオープン外債に絡む米ドル買いがマーケットに投入されていると言われていましたが、米ドル/円が105円台で底堅くなったことから、今週(2月19日~)、上記のような生保からの米ドル買いが、かなり米ドル/円マーケットで散見されたと言われています。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:Bloomberg)

 米ドル/円が、節目の105円台で底堅くなったことに加え、大手生保からのオープン外債に絡む米ドル買い。

 結果、マーケットでは、米ドル/円が中期でもボトムアウトしたという意見も増えてきていますが、果たして、そうでしょうか?

■調整後の米ドル/円のステージは100円へ

 ここで、米ドル/円の推移をテクニカルで確認しておきます。以下は、米ドル/円の週足チャートです。

米ドル/円 週足
米ドル/円 週足

(出所:Bloomberg)

 アベノミクスによりマーケットが活況を呈していた2015年6月に、米ドル/円は125.86円という高値に到達。

 その後、この高値とトランプラリーの高値である118.66円を結んだ抵抗ラインを形成しており、これが強烈なレジスタンスとなって機能しています。

 2017年の米ドル/円相場は、再三にわたり、このレジスタンスブレイクにトライするものの、すべて失敗しています。

 一方、2016年11月の米大統領選当日の安値から引いたラインがサポートとしてワークしており、2017年の米ドル/円はこのレジスタンスとサポートラインに阻まれた形で、じわじわと狭いレンジへと押し込まれていきます。

 それが2018年1月、このサポートラインが決壊して、米ドル/円は急落

 昨年(2017年)安値の107.32円をあっさりブレイクした米ドル/円は、2月16日(金)には、一時105.55円まで急落しています。

 繰り返しになりますが、米ドル/円の105円台というのは、筆者も含め、多くのマーケット参加者が米ドル安の節目として意識してきたレベルで、日足ベースではボトムアウトしています。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:Bloomberg)

 ただ、この週足ベースでのチャートでは、長期間にわたって米ドル/円をサポートしてきたラインをブレイクしており、上値が限定的であることを示唆しています。

調整後、仮に105.00円を割り込むと、次のサポートは100.00円となります。

【参考記事】
米ドル/円はターゲットの105円に急接近! 米長期金利上昇、株安継続なら100円も!?(2月15日、西原宏一)

米ドル/円 週足
米ドル/円 週足

(出所:Bloomberg)

 他の市場に視点を移すと、今回の「株安・円高」を牽引してきた米10年債利回りですが、2月21日(水)には、一時2.95%と続伸中。

米長期金利(米10年物国債利回り) 日足
米長期金利(米10年物国債利回り)

(出所:Bloomberg)

 つまり、債券バブルはすでに終了しており、「米金利の上昇は止まらず、呼応して株安、円高が続く」可能性が高いと想定しています。

 2018年に入り、米ドル/円は一気に105円台まで急落。現在は、いったん調整に入るも、ボラティリティが高まってきた米ドル/円は、105円割れを示現する可能性が濃厚

 ボラティリティの高まりにより、昨年(2017年)の膠着相場から解き放たれ、値動きが良くなった米ドル/円相場に注目です。


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