■対外直接投資による円安の影響は?
さらに、もう1点、これから注目されているのが、M&Aなどによる対外直接投資です。
野村證券は、対外直接投資から対内直接投資を差し引いた金額が、2018年度に、過去最大の21.3兆円に膨らむとの試算を発表しています。
もちろん、これらがすべて、為替相場に影響するわけではありません。
たとえば、先日発表された武田薬品工業によるアイルランド製薬大手シャイアーの買収は、日本円で約6.8兆円という巨額の買収案件となりますが、その全部を円から外貨に換えるわけではありません。
一部は自社株の交換という手法がとられ、残りの現金を外貨で調達することになると言われています。
【参考記事】
●武田薬品の英シャイアー7兆円大型買収の行方に注目! 巨額の英ポンド買いの噂も?(4月26日、西原宏一)
したがって、この買収案件が、どれぐらいの円安要因になるかは今のところわかりませんが、多少なりとも円売りは出てくると考えられます。この辺りの動向からも、今後は目を離せません。
■再度の110円上抜けで米ドル/円は113円!?
さて、この1週間程度の為替市場を見ると、米ドル/円は5月2日(水)に節目の110円台をつけたあと、少し、踊り場に入っています。
再び110.00円をしっかり上抜けてくると、113円程度が見えてくるでしょう。
(出所:Bloomberg)
ただ、正直、抜けるのか抜けないのかは、よくわからないので、市場の動きについていくことにしたいと考えています。
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