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西原宏一_メルマガ取材記事
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FX情報局

【全文書き起こし4/4】 店頭FX業者の
決済リスクへの対応に関する有識者検討会
(第2回)

2018年05月29日(火)18:42公開 (2018年05月29日(火)18:42更新)
FX情報局

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「【全文書き起こし3/4】 店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会(第2回)」からつづく

前々々回前々回前回に続き、金融庁にて2018年3月12日に行われた「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会(第2回)」の全文書き起こしをお届けします。

【参考記事】
【全文書き起こし1/4】店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会(第2回)
【全文書き起こし2/4】 店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会(第2回)
【全文書き起こし3/4】 店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会(第2回)

 この有識者検討会(第2回)の参加者は以下のとおりです。

第2回「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」参加者

 
池尾和人氏 慶應義塾大学経済学部 教授



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上柳敏郎氏 東京駿河台法律事務所 弁護士
勝尾裕子氏 学習院大学経済学部 教授
黒沼悦郎氏 早稲田大学法学学術院 教授
坂勇一郎氏 東京合同法律事務所 弁護士
永沢裕美子氏 Foster Forum 
良質な金融商品を育てる会 事務局長
※少し遅れて参加
松井秀征氏 立教大学法学部法学科 教授
弥永真生氏 筑波大学ビジネスサイエンス系 教授



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星野昭氏 三菱東京UFJ銀行 金融市場部長
伊藤渡氏 東京金融取引所 代表取締役専務
山崎哲夫氏 金融先物取引業協会 事務局長
鬼頭弘泰氏 GMOクリック証券 代表取締役社長
小川裕之氏 SBI証券 取締役経営企画部長
※本来は高村正人社長がオブザーバーだが、今回は欠席。小川氏が代理として出席
松田邦夫氏 セントラル短資FX 代表取締役社長
緒方健太郎氏 財務省国際局為替市場課長
重本浩司氏 日本銀行金融市場局為替課長

※金融庁配布の資料を基本としつつ、ザイFX!編集部が一部実情にあわせて、追記、変更を行っています。

※メンバー、オブザーバーの所属先は、第2回「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」時のもの。

 今回の書き起こしは全4回のうちの最後である4回目であり、有識者のメンバーによる討議の後半を対象としています。

 書き起こしについては細心の注意を払っておりますが、録音した音声が必ずしも鮮明ではない部分もあり、書き起こした文に誤りのある可能性もないとは言えません。その点はあらかじめ、お断りさせていただきます。また、どうしてもわからない箇所は【聞き取り不明】と記載しています。そして、話し手の言い回しを厳密にそのまま再現しているとは限らず、意味が違ってしまわない範囲で、どうしても冗長となりがちな話し言葉を簡潔な表現にしている部分もあります。

 文中に挿入した小見出しはザイFX!編集部で作成したものです。

 有識者検討会は配布された資料に基づいて行われています。文中にはその資料を適宜挿入しました。資料は金融庁の以下のウェブページでも見ることができます。

【参考ページ】
店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会(金融庁公式サイト)

 また、有識者検討会(第2回)の議事録も上記、金融庁のウェブページで公開されています。にもかかわらず、ザイFX!がこの全文書き起こしを公開している経緯については、以下の記事をご参照ください。

【参考記事】
【全文書き起こし1/4】 店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会(第2回)

 なお、著作権法第三十二条では、国などが一般に周知させることを目的として作成した著作物は、説明の材料として新聞などに転載してよいとされています。

 では、全文書き起こしの続きをどうぞ(ザイFX!編集部)。


池尾和人座長(慶応大学経済学部 教授。以下、「池尾座長」と記載) はい、じゃあ、永沢さん。

■永沢氏:規制は強化されるのだろうと思っている。金先協会はどのくらいのスピードで規制を強化していこうとしているのか?

永沢裕美子メンバー(Foster Forum 良質な金融商品を育てる会 事務局長。以下、「永沢メンバー」と記載) ありがとうございます。

 山﨑さま、皆さま、本日具体的なお話をいろいろいただきましたので、私、FX業界をよく分かっておりませんけれども、かなり分かったと同時に、かなり専門的で、たぶん分かっていないという段階で、意見と質問を話させていただきたいと思います。

 まず金融先物取引業協会さまのほうに、山﨑さまのほうに質問というか、要望になるかと思いますけれども、16と17ページのところで海外の規制動向をお示しいただきました。

店頭FX業者の決済リスクに関する海外の規制動向①(クリックで拡大)
店頭FX業者の決済リスクに関する海外の規制動向①

※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第2回)の資料1「金融先物取引業協会資料」より、16ページの「店頭FX業者の決済リスクに関する海外の規制動向①」を掲載

店頭FX業者の決済リスクに関する海外の規制動向②(クリックで拡大)
店頭FX業者の決済リスクに関する海外の規制動向②

※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第2回)の資料1「金融先物取引業協会資料」より、17ページの「店頭FX業者の決済リスクに関する海外の規制動向②」を掲載

永沢メンバー やはりリスクに関する規制のあり方について、いま検討を始めているところですけれども、さまざまな方法があるようであり、それが期待される効果というものがまた異なるもののようであることは、申し訳ないのですが、分かってきたのですが、この表は国別にどういうものを取り入れているのか、各国がどのように動いているのか、というふうに示していただけないでしょうか。

 倍率だけを比較しますと一面的なようにも思いますので、やはり組み合わせてどうなのかということを、私どもも見たいと思っています。

 それから、こちらに示していただきました資料を読みますと、欧米は規制を強化する方向に動いているように思いますが、これも次のときにお話しいただけるかと思います。

 すでにお話しいただいている部分もあるとは思いますが、業界団体として、自主規制団体として、方向として、どのくらいのスピードでこれから規制を強化されていくのかというところを…。規制を強化されていくのだろうと思っています。

 規制を強化するというよりも、リスク管理を徹底する体制を事業者に、より一層求められるということになるのだと思います。そのスピード感というものを、次回等でお話しいただきたいと思っています。

■永沢氏:店頭FX業者の資本金は最低額の5000万円で足りるのだろうか?

永沢メンバー 本日お話しいただきました3社さまのリスク管理の体制というのは、非常によく考えて、体制も整備されていることが分かりました、分かったように思います。分かったと言い切れないところが残念なところですが、そのように素人でも印象としては持ちました。

 そこに質問ですけれども、御社方のような体制整備には、それなりのヒトとおカネというもの、それからシステム投資に相当かけていらっしゃると思います。

 ヒトもただのヒトではなくて、専門的な人材をかなり確保された上で、業務に当たっていらっしゃると思います。今日でなくて結構ですので、やはりこういう業務をきちんとやるにはどのぐらいの人員と、それから資本金と一言で言っていいのか分かりませんけれども、いまの最低資本金5000万円で足りるのだろうかというのが、私として素朴な疑問として思っているところです。

 資本金というのは一部でしかありませんが、相当なおカネは要るのではないかと思っています。3社の方にこのような質問をするのは酷ではありますが、業界全体をご覧になって大丈夫ですか、というところを確認してみたいところであると思いました。

■永沢氏:欧米では相当な回数のストレステストを求めている。日本ではあまりできていない業者もあるのではないか

永沢メンバー それから先ほどから、何人かの先生から質問が出ているストレステストのところです。

 印象としてストレステストをなさってはいるということは分かりましたけれども、たとえば欧米では相当な回数を、もっと頻度を高くやることを求めているということですので、日本では実際のところ大きいところはともかく、あまりできていないところもあるのではないかという印象を持ちました、という感想を述べたいと思います。

 またこの印象を、ぜひこの検討会が終わるまでに払拭できるような情報提供をお願いできたらと思っています。

 また今回の議論とは関係ないかもしれませんけれども、こういったストレステストを行っていいものかどうかという、どの程度行っているのかという情報は、一般の投資家にとっても非常に重要な情報ではないかと思っています。

 こういった情報開示というのは、業界として、例えば個社として、行われているのかどうかというところも、もし可能ならばお話をいただきたいと思っています。

■永沢氏:店頭FXで行われているストレステストと取引所FXで行われているストレステストは同じようなものなのか?

永沢メンバー 最後に取引所取引のほうについてお話をいただきましたが、取引所のストレステストと、それから今回、金先協会さまのほうからお話があった共通テストだとか、それからいろいろなヒストリカルテストというものが同じものをしているのかどうかというところが、私、分からなかったので、それは同じようなものなのか、まったく同じかどうかは別にして、同じようなものなのかどうかというところをお聞きしたい。

 それから今日出てきていらっしゃる3社は、取引所取引もなさっている……? おそらく専業さんですか? 皆さん、3社とも専業でいらっしゃいますか?

山崎哲夫オブザーバー(金融先物取引業協会 事務局長。以下、「山崎オブザーバー」と記載) GMOさまが取引所取引と店頭をやっていて、あとの2社は店頭のみです。

永沢メンバー わかりました。では両方やっている業者さんはともかく、専業の方については取引所並みの、取引所のほうでなさっているようなストレステストと同じレベルなのかどうかというところを、素人くさい質問ですけれども、次回お聞きできたらなと思いました。

■永沢氏:事務局に全体のスケジュール感を教えてほしい

永沢メンバー 最後になりますけれども、事務局のほうにお願いがございます。まず検討会は今日で第2回目ですけれども、だいたい6月ぐらいまで検討を続けられるようなお話を、はじめお聞きしたように思います。

 初回遅刻してきましたので、全体のスケジュールというものを把握していないのですけれども、やはりこの検討会はたいへん注視されているようでして、皆さま、どのような検討が続けられるのかというところ、全体のスケジュール感についてお知らせいただきたいと思います。

 それから規制の見直し、強化が行われる場合には、通常パブコメが行われると思いますけれども、そのようなものが行われる可能性が……、行われることが予定されているのかどうか、それは規制されるかどうかにかかってくると思いますけれども、そのあたりも事務局のほうから、皆さん、よくご覧になっているようですので、今後の検討の方向について、ちょっと情報提供をお願いいただけたらと思います。

 まとまりのない意見でしたが、以上です。

池尾座長 どうもありがとうございました。いまのご意見の中で海外の規制動向について取りまとめるというのは、協会のほうでやっていただくというのはありますが、金融庁のほうで資料を用意していただければありがたいと思います。

 それから、これは私自身も前回申し上げたのですが、業界の中でリスク管理についてばらつきがあるのではないかということですね。今回、来られている会社は先導的で、しっかりとやられているとは思いますが…。

 業界全部がそういう水準でやられているなら安心できるのですが、中小業者というだけではなくて大手業者の中にも、リスク管理の面でやや見劣りする業者等がないというふうに言い切れるのかどうか。そのあたりのことを感覚として把握できるようにお願いしたい。これは協会にお願いするしかないのかもしれませんが、そういうふうに思います。

 それではよろしいですね。今日の段階のお答えというのは特には。

■事務局:議論次第ではあるが、夏ぐらいまでには何らかの取りまとめをしたい

事務局 事務局への要望というか、いただいたと思うのですけれども。だいたいのスケジュールというものは、第1回に申し上げたというか、記者レクなどでも申し上げているとおり、このご議論次第ではありますが、この夏ぐらいまでには何らか取りまとめになるように検討していけばと考えているところです。

 もうひとつ、永沢先生にご指摘いただいたパブコメの話は、確かに府令改正とかになれば、いい状況に達しましたところで、ルールとしてパブコメいたしますし、先生ご指摘の個人投資家の皆さまとか、国民一般の皆さまのご意見を、そこですべて包摂して規制制度が制定されることを思っています。

 また協会ルールとか、そういうことになれば、協会さんのほうでまた検討されるとか、そういったことになっていくのではないかと考えています。

永沢メンバー ありがとうございます。

池尾座長 それではお待たせしました…

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