■注目ポイントは「ローリング・ベア」?
商品相場や上海総合指数の下落、豪ドル/円の続落という流れは、リスクオフの相場が続いていることを意味します。
確かに、総じて見れば、NYダウ、ナスダック総合指数、日経平均、そして、上海総合指数、商品相場、資源国通貨と、値を下げています。
ただ、今回の相場は、NYダウが8日続落となる中、ナスダック総合指数が上昇している局面もあり、どうもピースが揃いません。
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
結果、今回も相場は、通常のリスクオフの流れである「株安、債券高、商品安、資源国通貨安、米ドル高、円高、スイスフラン高」という流れにあるのですが、下落相場がすべての市場で一気に起こるわけではなく、各市場で弱気相場が順番に来るといったような流れになっています。
この一風変わった相場をモルガン・スタンレーが、「ローリング・ベア(Rolling Bear)」という興味深い言葉で表現していたので、ご紹介させていただきます。
「ローリング・ベア」で質の高い米株にも打撃及ぶ-モルガンSが予想
米当局による金融引き締めと同時進行でなくなりつつある世界の経済成長が金融市場に一連の打撃を与えつつあり、最終的には米国株で質が比較的高い銘柄にも影響が及ぶとモルガン・スタンレーはみている。
同社のチーフ米国株ストラテジスト、マイク・ウィルソン氏はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、リスクが高めの資産がまず打撃を受けたが、今後は安全性で優ると見なされる資産にも波及するとの見方を示した。新興国株式は今月、大きく値下がりしたが、米S&P500種株価指数は月初来でプラス圏にとどまっている。
ウィルソン氏は「ローリング・ベア(弱気相場が順繰りに巡る)というのが、われわれの基本的な今年の相場見通しだ」と指摘。
「全てが一度に打撃を受ける08年シナリオは予想しないが、市場が選択的に一つずつ影響を受ける、順繰り調整のような感じになるだろう」と語った。
売りが順繰りに進んでいく一例として、米テクノロジー株が最近値下がりしたことを挙げ、「こうした質が最も高いとされる株式銘柄の一部でさえ、行き過ぎていて、多少の打撃を必要としているのかもしれない」と述べた。
出所;Bloomberg
■今年後半は、クロス円の戻り売りに注目!
繰り返しになりますが、通常リスクオフ相場の局面では、新興国の株や通貨が急落すると、早晩、主要国の株や通貨にも影響を及ぼします。
ところが、今年(2018年)は、新興国が崩れても、なかなか他の市場に影響が出ません。
一方で、同じ米国市場でも、NYダウが8日続落していてもナスダック総合指数が続伸しているという局面も見られます。
【参考記事】
●ドイツ政情混乱! 今週は月末、四半期末、半期末が重なり、「特殊玉」にも要注意!(6月25日、西原宏一&大橋ひろこ)
そして、その間、上海総合が崩れ始めていたりするのです。
今年(2018年)の相場は、モルガン・スタンレーのコメントのように、ベアマーケットが一気に到来するわけではなく、じわじわと到来するのが特徴なのかもしれません。
結果、方向としては、米中通商問題に、なかなか出口が見つからない中、リスクオフ相場は続く可能性が高いのですが、米国株、上海株、商品、資源国通貨など、各市場が一気に下がる相場ではなく、順繰りに下落を繰り返す「ローリング・ベア」マーケットが継続するのではないでしょうか?
仮にローリング・ベア相場が継続するのであれば、通貨であれば、豪ドル/円、加ドル/円といった資源国通貨を筆頭としたクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)において、丁寧に戻り売りを繰り返すのが、今年(2018年)後半、相場の注目点になると考えています。
「ローリング・ベア」相場の中、順繰りに値を下げる可能性が高い、豪ドル/円や加ドル/円、そしてユーロ/円の動向に注目です。
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