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今の「介入懐疑論」に感じる2011年のデジャブ
「デジャブ」という言葉がある。
目下、為替市場の雰囲気から得られるデジャブと言えば、2011年11月あたりになるのではないかと思う。ただし、トレンドはまったく逆なので、ここからの話は市場参加者らの思惑や巷の見方だと理解していただきたい。
言ってみれば、現在、マスコミに大きく取り上げられている「介入懐疑論」は、2011年10月末の介入後も盛んだった。当時は米ドル買い・円売りの介入だったが、デジャブ(既視感)があるとすれば、それのほかあるまい。
結論から申し上げると、「世の中の大半が歴史的な転換点において間違ってしまう」という傾向があるから、今の「介入は効かない、円安継続」といった主流的な見方は、裏切られる宿命にある。
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偉そうに言っているが、2010~2011年の為替介入を経験しているうえ、当時の主流的な見方、すなわち「介入は効かない、円高継続」の論調にずっと反対していたからこそ、偉そうに言えるのかもしれない。
実際、Xにて以下のようにつぶやいたばかりだ。
古い資料が出たので、感慨深い。当時は皆さんもっぱら「悪い円高」を心配し、翌年史上最高値にて日銀介入があっても、「円高は構造的」、「介入しても円高傾向が変わらない」とマスコミに登場するセンセイらは異口同音だった^_^ pic.twitter.com/P39QEWbNMi
— 陳まさと@プライスアクション (@chinmasato) August 14, 2026
「円高は続く」が常識だった2010~2011年
2010年の年末においては、世の中はもっぱら「悪い円高」や「円高不況」がどこまで続くかを論議していた。
政府や日銀の不作為に対する世論の糾弾も凄まじく、「デフレを脱却しなければならないが、できないのでは」といった悲観論も主流であった。
「百年デフレ」や「投資なんか、おやめなさい」といった本がベストセラーとなり、筆者が書いた「相場の宿命」は全然売れなかった(苦笑)。
なぜなら、その本には「2012年から日本株は上昇していく」と書いていたから、信じる人は少なかった。
ちなみに、筆者は当時、2012年春まで円高が進行し、その後は円安方向へ転換すると予想していたから、日本株も上昇に転じると思っていた。
もちろん、執筆当時は2011年の東日本大震災や、2012年の安倍晋三さんの内閣総理大臣への再登板を知る術もなかった。

(出所:TradingView)
デフレ脱却は当時の国民の悲願だったにもかかわらず、アベノミクスが打ち出されてからは、マスコミやいわゆる識者らに散々に言われてきた。
そして、アベノミクスが成功してインフレの状況になると、彼らは一転して、物価高だの、庶民が大変だのと大騒ぎした。日本政府や日銀は、何をやっても批判の的になるわけだ。
要するに、世論や世の中の「識者」らは、まったく理性的ではなく、あるいは意図的に情緒的な庶民に合わせる傾向が強いから、当てにならない。
物価安や円高はデフレの結果で、物価高や円安は脱デフレの代償だと理解できれば、マスコミや識者らの論調に惑わされなくて済む。
相場の転換点では「確信」が裏切られる
詰まるところ、円高も円安も日本のマクロ経済環境がもたらす必然的な結果だが、それにも限界がある。
その限界点に差し掛かるほど、大衆や識者らの見方が合致して反対の見方を取ってしまうのが、「相場の宿命」の1つの側面とも言える。
砕けた言い方をすれば、円高にしても円安にしても、行きすぎるほど、方向転換はあり得ないと信じる者が増える。
2010年当時も、「自分が生きているうちに、日経平均株価は史上最高値の更新はおろか、3万円の回復もあり得ない」と豪語した証券界の大物がいた(もちろん、今も存命)。また、多くの人が大幅な円安はあり得ないと信じてやまなかった。
ちなみに、2010年ばかりか2020年の時点でも、ほとんどの人が、あと数年で日経平均株価が史上最高値を更新するとは思っていなかった。

(出所:TradingView)
だから、それとリンクしたように発生する円安の大幅な進行が、今の識者らが言うほどに構造的や必然的ではないはずだ。
だからこそ、今はデジャブの感覚が強い。「円安は構造的」「介入があっても流れを修正できない」と皆さんが「確信」を持つからだ。
2011年10月末と同じように、皆さんの「確信」が強ければ強いほど、実は行きすぎた円高の限界に差し掛かるので、今こそ、行きすぎた円安が修正される「臨界点」だと思う。
介入が効くのは、円安が限界に近いから
日米の金利差が云々、実質インフレが云々、国の借金云々を持ち出して構造的な要素を説明するのも、その根拠自体が間違いではないとしても、行きすぎを正当化できるものではない。
2011年の年末における円高継続論に間違いがあるなら、まさにその部分にある。
言い換えれば、当時の「円高構造論」自体は正しかったかもしれないが、行きすぎた円高を正当化するのは完全な間違いであった。デジャブの根本は、ここにあると強調したい。
最後になるが、筆者は「介入で円安のトレンドが修正される」とは思っていない。真逆だ。
すなわち、「円安が歴史的な行きすぎの状態にあるから、介入が効いてくる」と思っている。
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(出所:TradingView)
この辺の展開はまた次回、市況はいかに。













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