■安堵感がリスクオンを造成
もう1つのリスク要因であった新興国通貨の下落、あるいは新興国経済の不安定化に関しては、たしかに、回復する気配は見られないものの、さらなる悪化を招くような状態でもなさそうだという見方が、市場で広がってきているようです。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:トルコリラ/円 日足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:南アフリカランド/円 日足)
こうした不安材料が、当面、市場に悪影響を与えるような状況ではないという安堵感が、リスクオンの市場環境を造成しているということでしょう。
■でも、米ドル/円は短期的には買われ過ぎ!?
さて、こうしたことを考えると、当面、米ドル高が続くということになるわけですが、米ドル/円に関して言えば、ここ2週間ほどの上昇が一方的であることが、やや気になります。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
IMM(国際通貨先物市場)のポジション動向を見ると、たしかに水準的にはまだ、投機筋の円に対する米ドルのロング(=円の売り越し)が、極端に積み上がっているという状態ではないものの、徐々にロングポジションが増えてきています。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
私の予想では、あと2週間ほどで、危険水準に入ってくるのではないかと思っています。
【参考記事】
●IMMの危険水準は円10万枚、ユーロ15万枚、英ポンド10万枚だが、さらに確認すべきは?
●IMMの円売り越し13.6万枚! この数字が10万枚を越えると米ドル/円は調整しやすい(2017年11月21日、バカラ村)
一目均衡表の雲からのかい離も、かなり大きくなってきました。MACDなど、オシレーター系のチャートも、買われ過ぎのゾーンに入ってきています。
(出所:Bloomberg)
■米ドルの押し目買いチャンスを待つスタンスで
米ドル/円は、115円という水準も区切りが良いので、その辺りを高値として、上げトレンドは、いったん終わるのではないでしょうか。
(出所:Bloomberg)
ただ、大きな流れはまだ、米ドル高と考えておいて良いと思いますので、米ドルを押し目で買うチャンスを、じっと待ちたいと思います。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!でもおなじみの今井雅人さんからのレポートを受けて、ザイFX!が 配信する「ザイFX! FXプレミアム配信 With今井雅人(月額:5,500円(税込))」。
その日のニュースをコンパクトに解説し、今後の為替の値動きについての予測とともに、今井氏のポジションについても可能な限り配信する、実践型の有料メルマガです。
「ザイFX! FXプレミアム配信 With今井雅人」には10日間の無料体験期間がありますので、ぜひ一度体験していただき、みなさんのトレードの参考にしてみてください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)