■英閣議でEU離脱協定の草案を了承
ただ、今回は、「株安=クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)」の下げという連動になっていません。
その要因は、英ポンド/米ドルの反発。
今月(11月)に入ってからの英ポンドは、Brexit(英国のEU離脱)関連のヘッドラインに翻弄され、乱高下の展開が続いています。
そのBrexit関連で、今週(11月12日~)、大きな動きがありました。
11月13日(火)のNY市場では、英国とEU(欧州連合)が離脱協定の草案で合意したとの報道で英ポンドが反発。
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ただ、この流れが続くためにはEU離脱協定の草案が、まず、英閣議で通る必要があります。
11月14日(水)のロンドン時間に、この件についてロンドンの友人に聞いたところ、EU離脱協定の草案が閣議で通る可能性は6対4とのことでした。
閣議で通れば、英ポンドは一時的に上昇するといった想定。
閣議で通ったとしても、議会を通るのはかなり難しいという意見でしたが、結果は、まず、閣議が了承しました。
英国がEUと合意した離脱協定の草案を英閣議が了承。
出所:Bloomberg
しかし、英下院を通過するのはかなり困難ではないか?というのがコンセンサスとなっています。
それは、EU離脱強硬派とDUP(民主統一党)のサポートが得られていないため。
英首相の離脱案、国の分断につながる恐れ=北アイルランドDUP
英国のメイ政権を支える北アイルランドの地域政党、民主統一党(DUP)のジェフリー・ドナルドソン議員は14日、メイ首相が提案した欧州連合(EU)離脱案について、北アイルランドを英国本土と別個に扱っており、英国の分断を招く恐れがあるとの認識を示した。
出所:ロイター
結果、この合意に議会の承認が得られるかは、依然、不透明な展開ではありますが、本稿執筆時点での英ポンド/米ドルは1.3000ドルレベルで推移。
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前回ご紹介させていただいた、英ポンド/米ドルの日足のダブルボトムで反発した展開が続いています。
【参考記事】
●予想どおりの米中間選挙後、米国株急騰! Brexit楽観報道で英ポンドの反発に要警戒(11月8日、西原宏一)
グローバルに株が軟調な展開になっている局面ではあるのですが、「リスクオフ=クロス円の売り」という展開にならないのは、この英ポンド/米ドルの反発により、英ポンド/円が上昇していることが要因となっています。
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■ユーロ/米ドルはベアトラップで反発も上値は限定的
一方、イタリアの問題を抱えたユーロ/米ドルは、英ポンド/米ドルとは違った展開となっています。
【参考記事】
●中国経済悪化の影響が欧州にまで波及…!? リスクオフ継続で、ユーロ/円続落に警戒!(10月25日、西原宏一)
ユーロ/米ドルは、強烈なサポートとして機能していた1.1300ドルのバリアをブレイクして、一時1.1216ドルまで急落。
ただ、今年(2018年)の相場の特徴なのか?前回の安値を割り込み、一時急落するも、続落せずに反発しています。
結局、ユーロ/米ドルは、今年(2018年)ずっとサポートであった1.13ドル台まであっさり戻しているので、ベアトラップとなり、反発に転じる可能性も高まります。
ちなみに、今年(2018年)のNYダウ、日経平均の日足は、年初につけた高値を超えてマーケットが加熱するも、そのあとブルトラップとなって、あっさり急落しました…。
【参考記事】
●米国株急落はヘッジファンドの思惑どおり! 米中間選挙のシナリオと相場の反応を予想(11月1日、西原宏一)
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とはいえ、イタリアの問題も抱えているユーロ/米ドルは、反発するも上値のメドは限定的。結果、ユーロ/英ポンドの上値が徐々に重たくなるのではないでしょうか?
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なお、米ドル/円については、アップルが、けん引する形で米国株が重いことから、上値は115.00円レベルで限定的となり、軟調に推移しています。
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下値余地が拡大しているユーロ/英ポンドの動向に注目です。
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