■2019年に向けて、米金融機関の米ドル弱気派が増加中
来年(2019年)にかけて、マーケット参加者の米ドルに対する見方も徐々に変わってきました。
まず、モルガン・スタンレー。
モルガン・スタンレー:ドルの強気相場は終了、売り時到来
ドルの強気相場は終了し、売るべき時だとモルガン・スタンレーは指摘する。
出所:Bloomberg
次は、ゴールドマン・サックス。
ゴールドマン、円強気に転じる―向こう1年で1ドル=108円に上昇予想
ゴールドマン・サックス・グループは自称、長期的な円弱気派だが、向こう1年には円が上昇すると予想した。
出所:Bloomberg
この記事にもありますように、ゴールドマン・サックス・グループは円弱気派の印象が強いのですが、短期的に円高派に変わっているようです。
最後は、レイ・ダリオ氏(※)の極端な米ドル弱気論。
(※編集部注:レイ・ダリオ氏は、ヘッジファンド「ブリッジウォーター・アソシエーツ」の創業者)
ダリオ氏の目に映る1930年代との不吉な類似
ドルが準備通貨としての地位を失う状況を米国の最悪の悪夢と表現
資産の5-10%の金への配分を検討すべきだとダリオ氏は勧める
出所:Bloomberg
レイ・ダリオ氏の場合は極端で、ポジショントークなのかな、という印象ですが、来年(2019年)の米ドル弱気派が増えてきている印象です。
■米ドルは下値余地が拡大する展開へ…
昨日(11月21日)のNY市場では、下記の報道もあり、FRBが、いつ金利を中立にするのかの議論が活発化していた模様。
米金融当局、来年春にも利上げサイクルを終了する可能性-MNI
この報道に反応し、ユーロは米ドルに対して日中高値を付けました。市場が2019年の利上げ見通し修正に動く中で、米国債先物は上昇し、利回り曲線はスティープ化しています。
直近のマーケットでは、12月のFRBの利上げ予測や武田薬品の620億ドルでのシャイアー買収による米ドル買いのウワサが再び出て、米ドルは、もう一段上昇する余地もあるのでしょうが、前述のように、米ドルが早晩ピークアウトするのでは?という参加者が増えてきているのも事実。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
徐々に上値が限定的となり、逆に下値余地が拡大している米ドル。特に、米ドル/円、ユーロ/米ドルでの米ドルの反落に注目です。
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