■英ポンドは上下しつつも底堅い展開
本日(1月15日)は、英議会でEU(欧州連合)離脱案の採決が行われる予定となっています。
英国は、3月末にEUを離脱することになっていますが、まず1月11日(金)に、これが延期になるというヘッドラインが出たことで、英ポンド/米ドルは、1.28ドル台半ばまで上昇しました。
ただ、すぐにその報道は否定され、1.2770ドル付近まで下がりました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/米ドル 1時間足)
否定されたのであれば、ヘッドラインが流れた水準まで下がってもいいはずですが、そこまで下がらず、底堅い展開となっていました。
1月11日(金)の終わり付近では、さらに上昇していることもあって、この動きを見ていると、市場参加者は英ポンド売りに偏っているのではないかと思われます。
■英ポンドは上昇しやすい環境に
昨日(1月14日)には、英保守党の離脱強硬派がメイ首相を支持するとの報道で、英ポンド/米ドルは、1.2930ドル付近まで上昇しました。
しかし、これもすぐに否定される内容が出て、1.2860ドル近辺まで下がります。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/米ドル 1時間足)
このときも、報道が流れたスタート地点の水準まで戻らず、英ポンドはジワジワと上昇してきています。
英ポンド売りに偏っているため、楽観的な材料が出ると、英ポンドは上昇しやすい状況なのだと考えられます。
■英首相は離脱の延期を選択!?
本日(1月15日)は英議会で採決が予定されていますが、ここでは否決される可能性が高まっています。
否決されると、代替案を3日以内に提出することとなります。
メイ英首相は、離脱の延期や再度の国民投票の実施を否定していますが、否決となると、合意なき離脱(※)を避けるために、離脱を延期するのではないかと思います。
(※編集部注:「合意なき離脱」とは、2年間の交渉で合意に至らず、何の取り決めもないまま、英国がEUを離脱すること)
1月15日(火)に英下院で実施される予定のEU離脱合意案の是非をめぐる採決は、否決される可能性が高まっている模様。否決されれば、合意なき離脱を避けるためにメイ首相は離脱を延期するのではないか、というのがバカラ村さんの考え (C)Matt Cardy/Getty Images News
Brexit(英国のEU離脱)問題も終盤戦に入っているため、ヘッドラインなどで英ポンドはしばらく、ボラティリティの高い状態が続くのではないかと思います。
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
■米ドル/円は売り目線だけど、しばらくは横ばいか
米ドル/円は、107円台半ば~109円台半ばのレンジで推移しています。
米国の年内利上げの可能性も後退しており、長期的には米ドル安はまだ、続くのではないかと考えています。
ただ、年初にフラッシュクラッシュ(瞬間暴落)があったため、目先は横ばいがまだ、続くのではないかと思います。
(出所:Bloomberg)
米ドル/円は売り目線ですが、しばらくは108円を中心とした横ばいとなりそうです。
【参考記事】
●米ドル/円暴落は「上海ショック」と似ている!? 円高リスク緩和。目先は110円台へ反発か(1月8日、バカラ村)
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)