■ユーロ圏に景気後退観測。ユーロの売り圧力に
もう1つ注目しているのは、ユーロ圏の景気の弱さです。
先日、2018年12月分の、ユーロ圏の消費者物価指数・改定値が発表されましたが、前年比で1.6%の上昇と、11月の1.9%の上昇から大きく鈍化しています。
※2010年1月~2018年12月の前年比のデータを掲載
※BloombergのデータをもとにザイFX!が作成
また、ドイツの2018年のGDP(国内総生産)成長率の速報値が発表されましたが、前年比1.5%のプラスと、5年ぶりの低水準となっています。
※1992年~2018年のデータを掲載
※BloombergのデータをもとにザイFX!が作成
今年(2019年)、ユーロ圏はリセッション(景気後退)に入るのではないかという観測まで出てきているようで、これは、ユーロに下落圧力がかかってくる可能性があるのではないかと考えています。
(出所:Bloomberg)
■米中の貿易交渉は引き続き注目の的!
最後に、米中の貿易問題です。3月の期限を前に、次官級の交渉が行われていますが、なかなか難航しているようです。
そんな中、「ムニューシン米財務長官が中国への関税措置の撤廃、あるいは一部撤廃を提案している」と、ウォール・ストリート・ジャーナルが報じていますが、USTR(米通商代表部)は依然として強硬姿勢です。
写真はムニューシン米財務長官。同氏が中国への関税措置の全廃もしくは一部撤廃を提案していると報じられたが、USTRは強硬姿勢を貫いている模様。トランプ政権の動向も含めて、今井さんが注目する材料の1つだ (C)Bloomberg/Getty Images
ひょっとすると、またトランプ政権の中で、軋轢が出てくるかもしれません。この動向にも、注目しておく必要があるでしょう。
■まずはスワップを稼ぐ方向で!
以上、注目材料をいくつか挙げましたが、足元の相場は、しばらく落ち着いた動きになる可能性が、かなり高いのではないかと考えています。
金利差(スワップポイント)を稼げるようなポジションを中心に、投資戦略を考える時期かと思います。
ただし、今年(2019年)は不確定要因が多いのも、これまた事実であるので、新しい材料が出てくれば、柔軟に戦略を見直す必要はあるでしょう。
【参考記事】
●2019年は米ドル高にも円安にもなりにくい。米ドル/円は100円割れまで下落の可能性!(1月11日、今井雅人)
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