■3月期末目前で、米ドル買い遅れが顕著に…
本稿を執筆しているのは、3月20日(水)。
本邦の期末まで、あと10日となってきました。
本邦輸出企業の米ドル売りは、今月(3月)15日(金)までで一通り終えているといわれています。遅れているのは、本邦機関投資家による米ドル買い。
過去のコラムでも何度か触れましたが、今年(2019年)1月3日(木)のフラッシュ・クラッシュによる米ドル/円の急落が、多くの参加者の戦略を変えてしまいました。
【参考記事】
●3月期末絡みの本邦勢の米ドル買い旺盛!? 米ドル/円は、じりじり115円を目指す展開へ(3月7日、西原宏一)
●英・合意なき離脱の可能性は、ほぼ消滅。 円売り需要を背景に米ドル/円は115円へ!(3月14日、西原宏一)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
米ドル/円の、104円台までのあっという間の急落が、輸出企業の米ドル売りを前倒しで誘引。
そして、多くの機関投資家の米ドル買いを遅らせることになり、期末を直前に控えてなお、米ドルの買い遅れが目立っています。
■米ドル/円は115円に向けた上昇過程に
本日(3月20日)の東京市場では、上海総合指数が一時、1.00%を超える急落を見せる中、通常であれば、リスクオフによる米ドル売りが持ち込まれるはずなのですが、米ドル/円は逆に111.60円と強含み。
【参考記事】
●モーサテ御意見番・中島厚志氏に聞く(1)驚きの「1ドル=82円」予想の真相とは?
(出所:Bloomberg)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
これは、日本時間3月21日(木)午前3時に結果が公表されるFOMC(米連邦公開市場委員会)を控えて、米ドルが上がってしまうリスクもあるため、時間切れで、本邦機関投資家がまとまった米ドル買いを持ち込んだためといわれています。
繰り返しになりますが、本邦企業の期末まであと10日程度。
3月末に向けて、マーケットの注目はブレグジットの行方。
【参考記事】
●メイ首相最後の賭け! 3月19~20日も山場、21~22日も山場。混乱の英国から直送レポ!
それに加えて、米ドルを買い遅れている参加者が目立ち、115円に向けて上昇の過程にいる米ドル/円の行方に注目です。
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