■相場は正常なセンチメントに戻りつつある
昨年(2018年)後半からつい最近まで、巷とウォール街(素人とプロのたとえ)の見方が妙に合致していたところがある。1つは米国株が「バブル」だから反落してくるということ、もう1つは米ドルが「割高」なので早晩売られるということだ。最近になって、この2つの見方は共に怪しくなり、相場は正常なセンチメントに戻りつつあるかと思う。
では、正常なセンチメントとは何か。それも一言では片付けられないが、筆者の経験で言えば、おおむね以下のような結論に達するかと思う。
まず、巷の見方はおおむねまとまっているが、ウォール街はというと、ほぼバラバラでまとまっていないケースが多い。次に、往々にして両者が相場の転換点において相反している場合が多い。最後に、いわゆる専門家の間の見方の相違が、往々にして程度の問題どころではなく、まったく対立するものが多い。
要するに、不確実性の上に成り立つ相場のことなので、市場参加者全員の見方がバラバラで、また、どれが本音でどれが建前か、そして、ポジショントークなのかどうかもよくわからない時こそ、正常である。
逆に全員が上か下と決め、論調や見通しが同様であれば同様であるほど正常ではない、と思ったほうが無難だ。足元は、正常な状態に戻りつつあるかとみる。
何しろ、あれだけ「トップアウトだ」、「ブル(上昇)相場の終焉だ」と異口同声に言われた米株市場は、続伸してまた史上最高値を更新した。
(出所:Bloomberg)
さらに、米利下げで米ドル安を確実視する風潮が主流だったような雰囲気の中、昨日(7月25日)、ユーロ/米ドルは一時、2019年年初来安値を更新し、2017年6月以来の安値を付けたから、米ドルは売られるのではなく買われつつあり、ドルインデックスも98の節目に再接近、近々2019年年初来高値を更新していく可能性を示唆しているから、異口同声でいられなくなったわけだ。
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
いずれにせよ、相場は正常化しつつあり、また、これからさらに方向感が出やすいタイミングに差し掛かっているとみる。
昨日(2019年7月25日)、ECB(欧州中央銀行)は…
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