■2007年以来の逆イールド発生で米国景気後退か?
そして、今週(8月12日~)の米国株の中でも、8月14日(水)のNYダウの下落は激しいものでした。3.00%急落し、前日比800ドル安の2万5479ドルでクローズしています。
その急落は、逆イールドの発生が要因と言われています。
以下は、米10年債利回りと米2年債利回りのチャートです。
このスプレッドが2007年以来初めて逆転し、リセッションの可能性を示唆。
(出所:Bloomberg)
米10年債利回りと2年債利回りのスプレッドが最初に逆転してから、米国経済がリセッション入りするまでには時間を要することが多く、前回は1年10カ月、前々回は2年9カ月かかっています。したがって、逆イールド発生で即リセッション入りし、株が暴落するわけではありません。
ただ、逆イールドの発生は、米国株にとってマイナスであることは変わらず、米国株はトップアウトした可能性が、さらに高まったと想定しています。
今回は米国のみならず、英国の2年債利回りが10年債利回りを上回る逆イールドが発生し、もうひとつ景気後退のシグナルも点灯。
(出所:Bloomberg)
中国の低調な経済指標に続き、ドイツがマイナス成長に陥ったこともあり、リスクオフへ。
当コラムでは、英ポンド/円に注目していますが、ユーロ/円も、一時117円台まで急落しています。
【参考記事】
●ボリス・ジョンソン英首相の「合意なき離脱」発言続く…。ポンド/円は中期的に120円へ(8月1日、西原宏一)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
米ドル/円の安値は、105.05円。
現在、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、米ドル/円の105.00円と日経平均の2万円をサポートしているというのがマーケットのコンセンサスとなっています。
【参考記事】
●お盆の円高リスク警戒! 日経平均2万円、米ドル/円105円が防衛ラインになるか…!?(8月12日、西原宏一&大橋ひろこ)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
ただ、こうした介入は相場の流れを変えるものではなく、時間差で、これらのサポートはブレイクされ、下落トレンドは続くと想定しています。
アルゼンチンの混乱、香港のデモ、米中貿易戦争などの混乱の中、米国債に逆イールドが発生し、NYダウは急反落。
「株安・円高」は続き、米ドル/円は100円、英ポンド/円は120円へと下落過程にある両通貨ペアに、引き続き、注目です。
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