■米ドル/円101.20円は重要サポート。調整反発に警戒!
この米ドル/円の暴落は、先週(3月2日~)後半、米大手銀行であるゴールドマン・サックスが、米ドル/円の下落のメドを95円とするレポートを出したことも拍車をかけています。
【参考記事】
●米ドル/円、95円が現実的なターゲットに!? 新型コロナに減産協議決裂…リスク満載!(3月9日、西原宏一&大橋ひろこ)
一方、米ドル/円のオプション市場のセンチメントも、かなり弱気に。
以下は、米ドル円の1カ月物リスクリバーサル(※)のチャートです。
(※編集部注:リスクリバーサルとは、通貨オプション戦略の一種。オプション市場の需給の動きから、その時点において、オプション市場の参加者がどのような見方(市場参加者の相場観)をしているのか知ることができる)
(出所:Bloomberg)
値が急激に下がっており、オプションマーケットも米ドル/円に対し、かなり弱気…というより、ちょっとしたパニックになっているといえます。
結果、現在、マーケットのコンセンサスは、「101円まで急落した米ドル/円は101~105円で『もみ合った後』に95円に急落する。ゴールドマン・サックスも95円に下落すると言っているし…」といったところ。
【参考記事】
●米ドル/円、95円が現実的なターゲットに!? 新型コロナに減産協議決裂…リスク満載!(3月9日、西原宏一&大橋ひろこ)
個人的にも米ドル/円相場は、一時101~106円のレンジで乱高下した後、100円を割り込んでいくという見方に変わりはありませんが、あまりにもマーケットの見方が米ドル/円の下落に偏ってきましたので、思わぬ反発に要注意です。
加えて、今週(3月9日~)サポートとなった米ドル/円の101.19円ですが、これは、2016年11月9日の安値である101.20円と、ほぼ同値。
この水準は、2016年の米大統領選挙でトランプ氏が勝利して、米ドル/円が118円台まで急騰した時の起点でもあります。
(出所:Trading View)
つまり、101.20円以下に沈むということは、トランプ大統領誕生前の相場に戻るともいえるため、101円台前半は、極めて重要なサポートレベルであるといえます。
この意味においては、米ドル/円は短期でロングにしてもいいかも知れません。
ただ、FRB(米連邦準備制度理事会)の政策金利の連続利下げも織り込み始めている米ドルの上値は極めて重く、先月(2月)つけた112円台は、今年(2020年)の高値に到達したといえるのかもしれません。
低ボラティリティから脱却し、トレードにふさわしい値動きとなってきた米ドル/円相場の行方に注目です。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。
「トレード戦略指令!」は10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)