■米ドル/円ベア派が急増。踏み上げの可能性も
米ドル/円は、1週間前には101円台まで突っ込んだのに、週末は108円台。この急騰の理由は、どう説明しますか?

(出所:TradingView)
ゴールドマン・サックスの95円予想を始め、先週(3月9日~)は、各社が米ドル/円のベアに見方を転換しました。
しかし、NYダウが暴落し、FRBがQEを正式に再開しても105円を割らない。
「これ以上、何があれば米ドル/円は下がるの?」ということにもなります。
今、110円を超えると思っている人は非常に少ないですから、米ドル調達ニーズの高まりなどによる思わぬ上昇に注意したほうがいいでしょう。
【参考記事】
●米ドル/円、95円が現実的なターゲットに!? 新型コロナに減産協議決裂…リスク満載!(3月9日、西原宏一&大橋ひろこ)
●米ドル/円は中期目標の100円水準に迫る!トランプ相場の起点が重要なサポートに(3月12日、西原宏一)
カレンダー的には、3月期末が近づいています。
リバランスなどによる特殊玉が出てくる可能性もありそうですね。
今回の急落でポートフォリオのバランスは相当変化しているでしょうし、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)や機関投資家が急騰した米国債を売って急落した米株を買う可能性だってあるでしょうし。
【参考記事】
●元ゴールドマン・サックス 志摩力男氏に聞く(2) 乱高下した英ポンドで利益を出せたワケは?
FRBの次のカードとして、日銀のように「ETFを購入するのでは」と予想する人も出てきています。
米大手8銀行は、2020年第2四半期まで自社株買いを中止を表明していますし……。
個人的に気になるのは、英国。「集団免疫」という独特な新型コロナ対策を採用するようです。
あえて感染させることで免疫をつけさせ、感染拡大のスピードを遅らせる政策だそうですが、この政策にともない「より多くの家族が愛する人を失うことになる」とジョンソン英首相がスピーチしたことが国民の反感を買っています。
この政策を続けるかぎり、英ポンドは安心して買えないと考える人は多いのではないでしょうか。
トランプ米大統領が、入国禁止措置の対象を英国やアイルランドへ拡大したことにも不安を感じているのでしょう。
■105円を割れないかぎり押し目買い
今週の戦略は、どう考えますか?
先週(3月9日~)のようなボラティリティの大きい相場では、スウィングでポジションを持つより短期的な勢いに乗ったほうが収益は高まります。
ただ、時間的な都合のある人も多いでしょうから、そんな人はリスク管理に気をつけながら米ドル/円の押し目買いでしょうか。
先週の週足は、105円以下が長い下ヒゲをつけました。105円以下はダマシとなっている可能性があり、当面は105円から112円で推移するイメージ。
105円を割るまでは押し目買いでいいのではないでしょうか。
【参考記事】
●株式市場崩壊、恐怖の米ドル買いが進行! 「リスクオフの円高」ロジックは崩れた!?(3月13日、陳満咲杜)

(出所:TradingView)
(構成/ミドルマン・高城泰)
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