■ゴールドが2000ドルを突破! 主要通貨で米ドル安が進行
みなさん、こんにちは。
今週(8月3日~)のマーケットの注目は、ゴールド!
【参考記事】
●短期で米ドル/円の押し目買いもいいかも!104円台ミドルのブレイクに今回も失敗…(8月3日、西原宏一&大橋ひろこ)
今週(8月3日~)のゴールドは最高値を更新し、NY金先物は1オンス当たり2000ドル超のエリアに突入しました。

(出所:Bloomberg)
米中間の緊張の高まりや、新型コロナウイルスがもたらした経済的な打撃に対処する米国の刺激策の追加投入の可能性が、ゴールドを押し上げています。
これで、ゴールドは年初来で30%を超える上昇率!
ゴールドマン・サックスは、1オンス当たり2300ドルまで上昇すると予想している模様。
■米ドル安進行も、米ドル/円は流れに取り残されている
前述の米国の刺激策の追加投入の可能性により、米ドルも続落しています。
ユーロ/米ドルは、再び1.1904ドルまで上昇。

(出所:Bloomberg)
前回のコラムでご紹介させていただいた豪ドル/米ドルは、年初来高値を更新し、本稿執筆時点で0.7240ドルまで急伸しています。
【参考記事】
●豪ドル/米ドルは0.8000ドルに向けて上昇か。米国に続き、豪州も中国批判を強めるが…(7月30日、西原宏一)
他の主要通貨に対しても、米ドルは軒並み大きく値を下げています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 週足)
一方、米ドル/円は、この米ドル売りの流れに取り残されている展開。
7月31日(金)には一時、104.19円まで急落するも、前回のコラムで懸念したとおり、節目の104.00がブレイクできず、同日のNY時間には、マーケットのショートカバーも誘引し、一気に106円台まで反発しました。
【参考記事】
●短期で米ドル/円の押し目買いもいいかも!104円台ミドルのブレイクに今回も失敗…(8月3日、西原宏一&大橋ひろこ)
月末の短い時間であっという間に2円急騰し、マーケットに米ドル/円の104円前半の固さを再び印象づけました。

(出所:Bloomberg)
■米ドル/円は、日米金利差の変化をまだ織り込んでいない
しかし、私は先週(7月27日~)と違い、次の米ドル/円の下落局面では、104.00円がブレイクしてしまう可能性が高いのではないか(?)と想定しています。
その理由はまず、米金利の低下。以下は、米2年国債の利回りです。

(出所:Bloomberg)
本稿執筆時点での米2年物国債の利回りは、0.11%レベルで推移。
2020年は1.60%レベルでスタートしているので、わずか7カ月で急激に低下しています。
そして、日本の2年物国債利回りは、ほぼマイナス0.13%で変わらず。

(出所:Bloomberg)
日本の金利が、年間を通してまったく変わっていないにも関わらず、米金利は年初から大幅に低下しています。
一方、今年(2020年)の米ドル/円のスタートは108.61円。
本稿執筆時点の米ドル/円は、105円台後半で推移しており、今年(2020年)の日米金利差の急速な変化を米ドル/円のマーケットはまだ織り込んでいないといえます。

(出所:Bloomberg)
その米ドル/円を支えているのが、前回のコラムでもご紹介させていただいた米ドル/円の104円台前半のサポートレベル。
【参考記事】
●豪ドル/米ドルは0.8000ドルに向けて上昇か。米国に続き、豪州も中国批判を強めるが…(7月30日、西原宏一)
この104円近辺には、米ドル/円にとって重要な200カ月移動平均線が位置しています。

(出所:Bloomberg)
このレベルは、2016年にブレグジット(英国のEU離脱)懸念で、英ポンド/円が暴落したときに一時割り込みましたが、同年(2016年)11月にトランプ氏が米大統領に選出されると、米ドル/円は急騰し、再びこの200カ月移動平均線より上での攻防が繰り返されています。
【参考記事】
●2017年のドル/円は調整あっても130円へ! リスクオフの円高が継続しないワケとは?(2016年12月22日、西原宏一)
その後、マーケットは何度もこのレベルのブレイクに挑戦しますが、終値ベースではブレイクできず、ことごとく反発。
■米ドル/円は100円台へ下落の可能性、さらに高まる
そして、先週(7月27日~)金曜日に、再び米ドル/円は、この200カ月移動平均線レベルに沈みますが、ブレイクできずに反発。
ただ、仮にもう一度、マーケットが米ドル/円の104.00円割れにトライすることになれば、今週(8月3日~)の米2年物国債利回りの低下、そして、ゴールドが2000ドル台到達などといった材料が目立つ中においては、104.00円が決壊する環境も徐々に整ってきているのではないか(?)と想定しています。
ゴールドが2000ドル超の高値に到達し、ユーロ/米ドル、豪ドル/米ドルを筆頭として主要通貨に対し、米ドルは急落。
200カ月移動平均線が米ドル/円を104.00円レベルで支えていますが、前述のように米金利の急速な低下により、このサポートがブレイクする可能性が先週(7月27日~)以上に高まっています。
104.00円のサポートが脆くなり、100円台の可能性がさらに高まっている米ドル/円の行方に注目です。
【参考記事】
●米ドル/円は「雇用統計天井」で反落!ダウントレンド入り…中期では100円へ(6月11日、西原宏一)
●トランプ大統領が習主席に再選支援懇願!? 米ドル/円は依然として100円への過程に(6月18日、西原宏一)
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